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メロンパン IN THE PARTY9 ページ47

美坂社長が低い声でナイフ片手に脅しかける。



どうやら屋敷社長の悲鳴は隠れていた降谷を見つけたためだったらしい。

やっぱ公安部の連中使えねーな。

報連相が機能してねーよ。







「おいそっちの金髪、出て来い。お前も屋敷も手を挙げてそっちの壁側に寄れ」

「美坂さん、あなた、我々の協力者では?」







降谷が手を挙げながらそう問いかける。







「かもな。でも俺じゃねぇ」







顎の下に手を伸ばし、ベリっという音と共にマスクが剥がされた。

まさか本当に化けの皮被ってたとは・・・・・・






「美坂さん、じゃないでしょうけど、貴方の目的は?」






降谷が聞く。






「ウチの連中半分くらいをしょっぴいたお前ら公安を殺す事とその女にウチを再興するための金を払わせる事だよ」






あらまあペラペラと。

コイツ絶対頭悪いだろ。



とりあえずコレが相手なら何とかなるかもしれない。

このバカの頭の悪さを計算に入れて、形勢逆転のため小芝居を考える。







「なあ、一つお願いしてもいい」

「あ?何だ?」

「俺一回も銃撃ったことないんだ。それが目的で警察なったっていうのにさ。だから、西部劇みたいに3歩歩いて振り返って撃つっていうのどうよ?やってみたいんだよね?」

「ハッ、黙って聞いてりゃ、お前バカだなぁ」







そう言って嘲笑ってくるバカ。

若干イラッとしたが顔に出さないようにして、男の次の言葉を待つ。







「そう言って俺を殺して形勢逆転でも図ろうってか?あいにくだな。俺は早撃ちのジローだ。トーシロに負けるかよ」







あーあ、通り名まで自分で暴露しちゃって。

やっぱコイツ相当頭悪いな。

俺の腕時計型通信機で公安本部に筒抜けなのに。




にしても拳銃持つの久しぶりなんだよな。

撃つのなんて警察学校以来だし。

どうしよ。降谷に頼みゃよかったかも。







「お望み通りやってやるよ。ただし、俺はこっちの銃だからな」








2丁置いてある拳銃のうち、俺から遠い方、つまり弾を抜いてないであろう拳銃を手に取ったジロー。








「・・・・・・なっ」

「ハンっ。俺がテメェの小細工に気づかねぇとでも思ったのかよ。せいぜい弾のない拳銃で頑張るんだな」









弾のない拳銃。


そう。俺の側にあった拳銃は俺が万が一のためにこっそり弾を抜いたものだ。





奥歯をギリっと噛みながら、自分の側の拳銃を手に取る。




その重さをズッシリと感じた。

不思議と恐怖はなく、むしろ笑えてきてしまった。

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ぶどう - フウマさん» 了解です!緋色シリーズのエピローグまで書いてから、検討します! (2022年5月17日 20時) (レス) id: 0aed378d42 (このIDを非表示/違反報告)
フウマ(プロフ) - 過去編と純黒の悪夢とゼロの執行人、書いてほしいです! (2022年5月17日 19時) (レス) @page30 id: 5bc30b04a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぶどう | 作成日時:2022年5月8日 12時

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