緋色のメロンパン 序々章2 ページ20
「はい、猫川さん」
江戸川君が笑顔とともにほかほかチョコチップメロンパンを俺の前に置いた。
「おー、ありがとう」
お礼を言ってさっそく頬張る。
うん、チョコが溶けて甘みをダイレクトに感じる。
美味い。
「とりあえず、自己紹介か?まあ江戸川君から聞いてるかもしれないけど、警視庁刑事部鑑識課の猫川A。好きなものはメロンパン」
そう言って今食べてるメロンパンを少し掲げて見せる。
江戸川君が苦笑するのを横目に赤井サンにも自己紹介するよう促す。
「俺はFBI捜査官、赤井秀一だ」
それだけ言って口を閉じた赤井サン。
それだけで納得すると思ってんのか?
少しの苛立ちを隠すように笑顔を作る。
「・・・・・・今時のFBIは日本で死を偽装して、他人の家で居候するんですね。勉強になります」
皮肉を言ってみれば、ピクリと眉を動かす赤井サン。
「そこら辺の事情は今から語るさ」
そして、赤井サンと江戸川君による長ーいお話が始まった。
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「・・・・・・なるほどね。いいよ、わかった」
「いいの?!公安の人たち裏切ることになるんだよ。立場とか、平気?」
江戸川君が驚いたように聞き返してくる。
「んなの大した事じゃないし。何よりこの件においては降谷の暴走だろ」
俺の言葉を信じきってないようではあるけど、江戸川君は頷いた。
「じゃあ万が一の時は、協力してね」
「ああ、もちろん」
そして、差し出された江戸川君の小さい手を包むように握手をした。
「不要だとは思うが、俺の正体はくれぐれも内密にな」
「わかってるよ、沖矢昴サン、だろ?」
沖矢昴の顔は知らないけどな、なんて心の中で悪態をつきながら、赤井サンの顔を見る。
降谷ほどではないが、どうやらこの人ともそりが合わなそうだ。
そうして俺は工藤邸をあとにした。
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ぶどう - フウマさん» 了解です!緋色シリーズのエピローグまで書いてから、検討します! (2022年5月17日 20時) (レス) id: 0aed378d42 (このIDを非表示/違反報告)
フウマ(プロフ) - 過去編と純黒の悪夢とゼロの執行人、書いてほしいです! (2022年5月17日 19時) (レス) @page30 id: 5bc30b04a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぶどう | 作成日時:2022年5月8日 12時