メロンパン容疑者になる3 ページ8
「警察を呼ぶまでもないで。この兄ちゃんが刺された時俺の頬に血ィが飛んできたし」
「僕の眼鏡にも」
言われてみれば、大阪弁の彼にも江戸川君にも返り血がついてる。
「せやから刺した犯人の手ェや袖口にもこの兄ちゃんの返り血が・・・・・・」
「おぉ、マジか。それだと俺じゃん」
俺の袖と手首から甲にかけて、血が付いてる。
しかも他の人たちは誰1人として血がついてない。
「・・・・・・現行犯です!」
「ふざけんな!ゼ・・・ぁむろサン!」
ぜむろ・・・・・・?と首を捻る梓さんに曖昧な微笑みを返す。
降谷からは絶対零度の視線が注がれてる。
悪かったって!!
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「なるほど・・・被害者の安西典悟さんのノートPCの電源であるこの差し込みプラグに細い針金が巻かれていた為、被害者がこの延長コードのコンセントにプラグを差した途端にショートして停電し、暗闇の中、店内にいた誰かが被害者を刺したというわけか」
目暮サンが情報をまとめるようにそう話す。
「ええ恐らく。ですが店内にいた被害者の連れであるこの3人や他の客の手や袖口には血がついていませんでした」
高木がそこまで言い終えてから、チラリと俺を見て言いにくそうに口を開く。
「・・・・・・ただ被害者から最も近い席に座ってた猫川さんの袖口から手の甲にかけて返り血が・・・・・・」
高木の報告を聞いて、目暮サンが呆れたように俺を見る。
「それで、君は一体何をしてるんだね」
「いや、夕飯食べにぶらっと来たら、巻き込まれたってだけで、俺じゃないっス」
「それはまあそうだろうが、君が1番の容疑者だぞ」
カウンター席の椅子で足組んで座ってる俺の様子を見て、目暮サンは頭を押さえた。
さっきから鑑識の先輩たちがニヤニヤしてこっちを見てくる。
「やったのか?猫川」
「やっちまったか」
「うるせぇっス」
「素直に吐けって」
「だから違うって」
こうやってウザ絡みしてくるので本当に面倒だ。
まあ床を調べる先輩たちを椅子に座って見下ろすっていう楽しみがあるわけだけど。
高木や目暮サンたちもさすがに馬鹿じゃないから、容疑者を被害者の連れの3人に絞って話を聞き始めた。
「なあ、俺にはアイツが犯人に見えて仕方ないんやけど」
「ああ・・・・・・猫川さんか。ちょっと態度がふてぶてしいだけで、人を刺したりする人じゃないから大丈夫だぜ」
おい、丸聞こえだぞ、そこ2人。
屈んで耳打ちしてる意味ないぞ大阪弁の兄ちゃん。
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ぶどう - 東雲虚さん» コメントありがとうございます!更新遅いですが、ふらっと立ち寄っていただければ幸いです! (8月3日 15時) (レス) id: 496ebaee13 (このIDを非表示/違反報告)
東雲虚 - 今一番好きな作品です とても面白かったです!続き楽しみに待ってます!更新頑張ってください(o^^o) (7月10日 21時) (レス) @page32 id: 272de617c9 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう - 早桃さん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです!更新遅いですが、楽しんでもらえれば幸いです。 (2022年12月19日 7時) (レス) id: 0aed378d42 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - え、めちゃすこです、、、面白すぎて一気に呼んじゃいました!映画の話とかもあって楽しいです!警察学校組の話しとかも楽しみです!これからも無理せず更新頑張って下さい!応援してますぅぅぅ! (2022年12月7日 7時) (レス) @page13 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
じ - 作品すごおい好き。だ◯まるしぇで食べたよ。おいしかた (2022年10月9日 19時) (レス) id: 3b27f251de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぶどう | 作成日時:2022年9月30日 20時