俺の焼きたてメロンパン冷めるんだけど【名探偵コナン】

ゼロとメロンパンの執行人１１ ページ23

一度日下部さんに電話をかけても、繋がらなかったため、帰庁して新たな情報がないか確認しに行く。




今は１分でも惜しい。

すると折り返しの電話がかかってきた。









「あっ、日下部さん。すいません。今、話す時間あります？」

《あー、ちょっと待ってくれ。場所を移動する･･････で、どうかしたのか？》

「毛利小五郎の冤罪を晴らそうと思って」

《･･････証拠は十分にあるのか？》

「いえ、それはまだ。とりあえず検察官として、どこが崩れると危ういのか助言頂こうと思いまして」

《そうか。協力したいのは山々だが、正直危ういところはほとんどないな。無罪を取るのはかなり厳しいと思う。物証がここまで固まってるとなると、こちらからすれば裁判で負ける方が難しいぞ》

「やはりそうですか」








お互いに重い沈黙が訪れる。

スマホから紙をめくる音が小さく聞こえた。








《アリバイはどうだ？たしか不明のままだっただろう》

「そうか、アリバイ！なるほど･･････すぐに一課の手を借りて調べますね」

《ああ、いずれにしても急いだ方がいい》

「･･････というと？」

《今日にも公判前整理手続きに入る事になった》









なぜか悔しそうな日下部さん。

何で不服？自分で起訴したんじゃないのか？









「･･････わかりました」

《悪いな。どうにも公安からの圧力が強くて、上司が･･････いや、なんでもない》









上司と何かあったのかもしれない。

でも今はそんなことを探ってられるほど暇じゃない。








「そうですか。じゃあ、日下部さんも頑張ってください」









日下部さんとの通話を切り、ふぅーっと息を吐く。







まず、毛利探偵のアリバイを立証すること。

それをもとに、彼が嵌められた可能性があると示す。

その方がずっと穏便だ。






･･････これはさすがに最終手段だな。

バタンと自分のロッカーを閉めた。

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