俺の焼きたてメロンパン冷めるんだけど【名探偵コナン】

ゼロとメロンパンの執行人２９ ページ41

「で、どうする？」

「待って･･････この建築中のビルに向かって！」

「ふっ、よし」








しばらく安全運転なのを確認してから、少し立って江戸川君が示したものを見る。





相当高いビルだけど･･････

まさか、そんな危ねぇ事する気じゃ･･････


いやこの車の乗り方からして、大いに有り得るか。




軽くこめかみを抑えた。








「そういえばさ、猫川さんは車持ってないの？」

「ん？あー、持ってはいるよ」

「･･････初耳だな。だいたい人の車に乗ってるだろ？」








降谷も興味を示したのか、バックミラー越しに俺を見た。








「そうなんだよねー。さっき思い出したんだけどさ、車持ってた事」

「はぁ？」

「行方不明なんだよなぁ」

「それは普通、車を持ってないと言うんじゃないのか？」








呆れたように言う降谷。少々言葉に棘を感じる。








「ちっ、ちなみにどんなの？」








俺が降谷を煽り出す前に江戸川君が焦って言葉を滑り込ませる。








「普通にスバルのBRZ」








降谷の眉毛がピクリとスバルに反応した。








「あ、安室さん、そこだよ！その建物！」








今度は降谷がキレると思ったのか江戸川君が少し大きめの声を上げる。




こんな小さな子供に気を遣わせてる大人って･･････

ちょっと申し訳なくなる。



「車の話なんて振らなきゃよかったぜ」という江戸川君の声が聞こえた気がした。









建設中のビルに入り、大きめのエレベーターに車ごと乗る。

不法侵入とか叫ぶのはきっと野暮なのだろう。









「･･････間に合うのか」

「このビルの高さとカジノタワーまでの距離を考えるとあと１分後にここから加速できれば」









そう言いながらタイマーをセットする江戸川君。









「君ホントに小学生には見えないよな」








助手席のシートに乗り出して言うと、同意するように降谷も軽く頷いた。








「い、いやぁ、そんな事ないよ」








ちょっと動揺する江戸川君にクスクスと笑う。








「･･････愛の力は偉大だな」

「え」








降谷の今の小っ恥ずかしいセリフは今後のからかうネタにしよーっと。

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