16話 新たなスタート ページ19
涙が涸れるほど泣いて、泣いて、泣きまくった。
気が付くと、もうオレンジ色の夕暮れが訪れていた。
あのときの飴玉を思い出す。
制服のポケットを探ると、仁王くんから貰った夕暮れ色の飴玉が出てきた。
仁「お。俺の飴ちゃんじゃな。もしかして、オレンジ嫌いやったかのぅ?」
『いや……食べるのが勿体なくて、持ってた』
そう言うと、彼は頬を緩めて笑った。
この人にはこの笑顔が似合う。
ポーカーフェイスな読めない笑顔ではなく、太陽みたいな温かくて優しい笑顔。
そんな彼の笑顔に、私もつられて微笑む。
仁「これからいくらでもあげるけえ。これで糖分チャージしんしゃい」
『…うん』
仁「明日は何味がええかのう。あ、どうせなら今から一緒に買いに行くとするか」
『うん』
私は明日も学校に来る。
でも、こんなに楽しみな学校は久しぶりだった。
チラリと隣を見ると、彼から優しく笑いかけられる。
今までも、そしてこれからも私は一人じゃない。
ここまで時間がかかったけれど、それが分かっただけでも、
生きていて良かったと、心からそう思えた。
終わり ログインすれば
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ユッキー(プロフ) - megumiさん» 最高に嬉しいです!ありがとうございます!励みになります(*^^*) (2019年5月27日 1時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
megumi(プロフ) - お話も興味深いですし、描写も深くて素敵です(*'ω'*)更新、楽しみにしています! (2019年5月27日 1時) (レス) id: 04e98a2c19 (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - 白銀水龍さん» ありがとうございます!そんなお言葉を頂けるなんて嬉しい限りです(*^^)v頑張りたいと思います! (2019年5月21日 18時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
白銀水龍(プロフ) - 面白い!これからも更新頑張ってください! (2019年5月21日 18時) (レス) id: 01408c4e23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪 | 作成日時:2019年5月20日 0時