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「わ、すごい……」

 柚月は、並べられた数々の本を見ながら呟いた。
 みんなは夢中で絵本のコーナーに行ってしまい、柚月は取り残されていた。
 それでも、柚月は気にしなかった。
 柚月は、難しい本を見ていた。
 厚い、難しそうな本が並んでいる本棚を、柚月はまじまじと見つめる。

「なんだろう、これ……」

 何かに呼ばれた気がして、ある本を手に取った。
 ただの本。
 しかし、柚月はその本を抱えて椅子に向かった。
 椅子に腰かけると、すぐに本を開く。

 この本には、この世界のことが語られていた。
 この世界の理不尽さ。
 この世界の哀しみ。
 この世界の辛さ。
 そして……この世界の真実。
 真実とは……。
 もう一つの世界、闇の世界のことだった。

 柚月は、あっという間に本を読み上げた。

「この世界には、もう一つの世界があるの……?」

 柚月の頭の中は、疑問でいっぱいだった。
 本ではもう一つの世界についての記述はなく、不思議に思えてくるのであった。
 柚月は、少しぼうっとしながらも、本を戻しにいった。
 そして、また新しい本を探し始めた。

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設定タグ:ファンタジー , オリジナル , 玲莉   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:玲莉 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/reiri/  
作成日時:2018年3月23日 17時

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