第47話 涙の時間 ページ49
俺がそう言ったその時
「Aか！？」
少し先にいるその男の後ろから
1人の男性と1人の女性が出てきた
それが誰かなんて
『お父さん…お母さん…？』
俺でも分かった
守るとかそういう話ではなくなった
『まさか…』
そう言いながらもAは俺の手を強く握り足を動かし始めた
そして3人の前に立つ
『本当に…お父さんとお母さん…なの？』
「ああ、そうだよ」
『でも…何で…この男と…』
Aは恐怖心を抑えるように言葉を絞り出す
「この人はね
ずっと私達の味方だったの」
突然衝撃の事実を告げられAは停止した
『意味が…意味が分からない…
でもお父さん達の事…』
Aの握る手が一層強くなる
「あの中で彼だけは違ったんだ
本当は私達の協力者だった」
「ごめんねAちゃん
ああでもしないとダメだったんだ
怖い思いをさせたね」
あの時とは違う優しい声でそう言った
Aは肩をビクつかせたが
震える事はなかった
『…待って…待って…
そもそも…お父さんとお母さん…何で生きてるの』
もうAの頭の中は混乱の絶頂らしい
横にいる俺も当然追いついていない
「実は私達はあの後
彼と死神によって助かっていたんだ」
死神
殺せんせーの事だ
『…なら今までどこに…』
「アメリカだ
日本にいてはまた狙われるから」
『…何で…何も教えてくれなかったの』
「知っている事が知られたら
またAを危険な目に合わせてしまうと思ったんだ」
『…そんなの……余計なお世話…』
「そうだね、その通りだ…
案の定突き止められた
そしてもう狙われる事がない代わりに
娘に近付くことを許されなかった」
『…』
「だが生きていればこうして必ず
Aに会えると信じていた」
その言葉とともに
Aの目からは溜めていた涙が溢れ出した
『…もうほんと…意味が分からない…』
Aは恐る恐る俺の手を離し
両親の前に立った
『…お父さん……お母さん…』
涙が止まることなく流れ落ち地面を濡らす
『……生きてて……本当に…よかった…』
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ナナシの人 - 前作の最後といい今回の第3話といい カゲロウデイズのヒビヤみたいで少し嬉しかったです(カゲプロ好きなので) (2019年11月21日 16時) (
レス) id: 710da74c2e (このIDを非表示/違反報告)
トモシビ - もう何回読んでもボロボロ泣けますよね… (2016年7月25日 19時) (レス) id: 3b170e76e9 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - トモシビさん» 最後のところ何回読んでも泣けますよね…私も書きながらヤバかったです… (2016年7月25日 9時) (レス) id: cbb44fedf8 (このIDを非表示/違反報告)
トモシビ - 泣ける…ヤバイ、涙が… (2016年7月25日 2時) (レス) id: 3b170e76e9 (このIDを非表示/違反報告)
未来 - 夢主ちゃんの過去・・・てか殺せんせーでてきたし・・・どうなるの？ (2016年7月19日 17時) (レス) id: 0628018844 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ
| 作成日時：2016年4月10日 15時
