第45話 意志の時間 ページ47
『イリーナは一緒じゃないんですか』
ひと段落つき
やっと静かになった校舎の外で夜空を見ていると
教室にいたはずのAが出てきた
烏「職員室で寝ている
生徒は」
『寝てしまいました』
烏「そうか
Aは大丈夫なのか」
『今はちょっと眠れません』
そう言いAは俺の隣に立ち
『…現場検証部隊は惟臣先輩がどうにかしてくれたんですか』
烏「ああ」
『…私の事は何か…』
恐る恐るAはそう尋ねてきた
烏「いや、むしろ彼女の好きなようにさせてやれと言われた」
『え？』
予想外だったらしく腑抜けた声で聞き返す
確かにそうなるのも分かるが
烏「地球の安全が確保された事に変わりない」
『そうですか』
今度は安心したように言った
ここ1年でAの感情が表に出ることが増えた気がする
それもこのE組のおかげだ
烏「Aはこれからどうする」
『これから？』
烏「防衛省のことだ」
『ああ、そうですね』
Aを見たところ
もう決まっているようだった
『防衛省が許す限り
私はそこに居続けたいと思っています』
烏「そうか」
それを聴いて俺は少し安心した
本人がそう思っているなら
まず防衛省がAを手放す事はないだろう
『でも何でですか？』
烏「いや、この1年お前は
今までになかったことを学びさらに成長した
そうすることで
また違った意志や夢が生まれたかもしれないと思ってな」
『意志…夢…
それなら変わりましたよ』
Aは俺を真っ直ぐ見て笑顔を浮かべた
烏「？」
『もっと強くなりました』
仕事の時に見せる笑顔でも
冷たい笑顔でも作り笑いでもない
子供のような年相応の無邪気な笑顔だった
『すぐに先輩に追いつきますから』
言ってる内容は全く子供ではないが
烏「俺も進み続けるぞ」
俺はそんなAの頭にポンポンと手をのせる
そうするとAは嬉しそうにまた笑った
烏「そろそろ戻るか」
『はい』
＊＊＊
早朝目覚めて外を見ると
早咲きの桜が小さく強く揺れていた
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ナナシの人 - 前作の最後といい今回の第3話といい カゲロウデイズのヒビヤみたいで少し嬉しかったです(カゲプロ好きなので) (2019年11月21日 16時) (
レス) id: 710da74c2e (このIDを非表示/違反報告)
トモシビ - もう何回読んでもボロボロ泣けますよね… (2016年7月25日 19時) (レス) id: 3b170e76e9 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - トモシビさん» 最後のところ何回読んでも泣けますよね…私も書きながらヤバかったです… (2016年7月25日 9時) (レス) id: cbb44fedf8 (このIDを非表示/違反報告)
トモシビ - 泣ける…ヤバイ、涙が… (2016年7月25日 2時) (レス) id: 3b170e76e9 (このIDを非表示/違反報告)
未来 - 夢主ちゃんの過去・・・てか殺せんせーでてきたし・・・どうなるの？ (2016年7月19日 17時) (レス) id: 0628018844 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ
| 作成日時：2016年4月10日 15時
