第34話 事件の時間 ページ36
それから1年もしないうちに事件は起こった
『じゃあまた明日ね、カルマ』
業「うん、ばいばい」
いつもの帰り道
カルマと別れ家に向かっていた
その時突然後ろから口を塞がれ
私の意識はそこで途切れた
*
次に気が付いた時は
暗く、何も見えず
自分の身に何が起こったか分からなかった
重たい体を少し動かしたその時
「やあ、目が覚めたようだね」
声がした
『…誰?!』
「僕達が誰かなんて事はどうでもいいさ」
僕達?
「君の名前は西条Aちゃんであっているね?」
『なんで私の名前…』
「あっているようだね」
「君は小学一年だというのに
随分としっかりしているみたいだ」
『…』
男の言葉を無視して体を起こそうとするが動かない
ここで初めて自分の体が縛られている事に気付いた
両腕は後ろに束ねられ
目隠しまでされている
だからこんなにも暗いのだ
それに加え寒さを感じ
また体は硬い床を感じる
おそらくコンクリートの上に横たわっているのだろう
「どうした?
怖いかい?」
『…ここはどこ?』
「Aちゃんは僕達の事を無視するのが好きらしいね」
『どこなの…』
怖い
「場所もどこでもいいさ
大丈夫
心配しなくてもすぐに家に帰れる」
そんな言葉信じていいのだろうか
すると足音がゆっくりと近付いてくる
「但し僕達の質問に
ちゃんと答えられたら…ね」
その冷たく言い放った言葉に体が震えた
『お父さんと…お母さん…は?』
「だから言っているだろう?
質問に答えてくれたら何もしない
ちゃんと家に戻す」
少し声の調子が荒くなる
これ以上機嫌を損ねてはダメだ
まだ知識が少ないながらそう察し黙り込んだ
「そうだ
やはり利口な子だね」
そう言って声の主は私の首に手を触れた
その指は酷く冷たく
また身震いをした
今までに体験したことの無い恐怖に襲われる
誰か……
助けて………
しかしその念も虚しく男は話を始めた
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ナナシの人 - 前作の最後といい今回の第3話といい カゲロウデイズのヒビヤみたいで少し嬉しかったです(カゲプロ好きなので) (2019年11月21日 16時) (レス) id: 710da74c2e (このIDを非表示/違反報告)
トモシビ - もう何回読んでもボロボロ泣けますよね… (2016年7月25日 19時) (レス) id: 3b170e76e9 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - トモシビさん» 最後のところ何回読んでも泣けますよね…私も書きながらヤバかったです… (2016年7月25日 9時) (レス) id: cbb44fedf8 (このIDを非表示/違反報告)
トモシビ - 泣ける…ヤバイ、涙が… (2016年7月25日 2時) (レス) id: 3b170e76e9 (このIDを非表示/違反報告)
未来 - 夢主ちゃんの過去・・・てか殺せんせーでてきたし・・・どうなるの? (2016年7月19日 17時) (レス) id: 0628018844 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウ | 作成日時:2016年4月10日 15時