第24話 誕生日の時間 ページ26
業「何してんの？」
ココアを作っていると後ろから声をかけられビクつく
何しろ近い
カルマが後ろに引っ付いている状態だ
『はい、ココア』
業「ありがとう」
寒いのだろうか
いや、寒くないはずはないが
この近さとは関係ないだろう
『それから離れて』
業「えー、どうしようかな」
ほらやっぱり
『ココア熱いから危ない』
業「はいはい」
やっとのこと私から離れココアを飲む
『もう今日みたいな事はしないで』
私は振り返りカルマを見て言った
業「後ろから抱きついた事？」
『そうじゃなくて』
業「そうじゃないの？」
悪戯っぽく笑う
『あ、いや、それもそうだけど
あんな雨の中待つこと』
業「心配してくれてるの？」
『毎回こんな事したくない』
すると少しの沈黙の後
業「美味しかった
ごちそうさま」
ココアを飲み干しコップを私に返す
その時
カルマの顔が目の前にきた
『！』
業「それでも俺Aの事諦めないから」
そう言ったかと思うと
カルマは私の頬にキスをした
『！』
業「じゃ、俺乾いたからもう帰るね
今日はありがと」
目の前で起きていることについていけていない
放心状態の私にそれだけ言い
部屋を出て行った
＊
暫くの間立ち尽くしていると
ふとテーブルの上に置かれている箱が目に入る
ゆっくり近づきその箱を手に取り
開けてみると
そこにはネックレスが入っていた
『っ…』
誰からか、なんて嫌でも分かる
私はそのままズルズルと座り込んだ
カルマにキスされた頬がまだ熱い
『何で…』
私は手に持ったネックレスを握り締める
『何でこんなに上手くいかないんだろう…』
仕舞い込め
『これじゃダメなのに…』
今の私の気持ちはいらない
押し込むんだ
心の奥底に
そう自分に何度も何度も言い聞かせ
再び顔を上げる
窓の外の雨はいつの間にか止んでいた
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ナナシの人 - 前作の最後といい今回の第3話といい カゲロウデイズのヒビヤみたいで少し嬉しかったです(カゲプロ好きなので) (2019年11月21日 16時) (
レス) id: 710da74c2e (このIDを非表示/違反報告)
トモシビ - もう何回読んでもボロボロ泣けますよね… (2016年7月25日 19時) (レス) id: 3b170e76e9 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - トモシビさん» 最後のところ何回読んでも泣けますよね…私も書きながらヤバかったです… (2016年7月25日 9時) (レス) id: cbb44fedf8 (このIDを非表示/違反報告)
トモシビ - 泣ける…ヤバイ、涙が… (2016年7月25日 2時) (レス) id: 3b170e76e9 (このIDを非表示/違反報告)
未来 - 夢主ちゃんの過去・・・てか殺せんせーでてきたし・・・どうなるの？ (2016年7月19日 17時) (レス) id: 0628018844 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ
| 作成日時：2016年4月10日 15時
