第23話 優しさの時間 ページ25
『タオル取ってくるから』
そう言うとAは俺の腕の中から抜け出し
洗面所へと向かった
やはりあの時と変わらず
態度は冷たいし
今は何を考えているのか俺にも分からない
『はい』
戻ってきたAはタオルを渡してくる
『服お父さんのあるけど
それでもいい？』
業「あ、体操服あるから大丈夫」
『そう』
業「ありがと」
『リビング行ってて』
業「え？」
『髪乾くまでいてていいから』
業「え、いいの」
予想外の事に驚く
『風邪ひかれたら困るし
でも乾いたらすぐ帰って』
それでもやっぱりAは優しかった
業「Aは？」
『…荷物置いてくる』
そう言いAは背を向け階段を上っていく
やべ、普通に嬉しい
そんな事を思いながらリビングに入り
濡れた服を脱いだ
＊
俺が着替え終わり少ししてから
コートと荷物を置いてきたAも
リビングにきて
そしてそのままキッチンへと入った
業「何してんの？」
そんなAの元にいき
すぐ後ろから声をかける
『！』
一瞬肩をビクつかせたようだったが
『はい』
今度は温かいコップを渡された
どうやらココアを作ってくれていたようだ
業「ありがとう」
正直寒かったので助かった
あんな雨の中
傘もささずいたら誰でも寒いよね
まあそのおかげでこんな事になって
俺はラッキーだったけど
『それから離れて』
業「えー、どうしようかな」
『ココア熱いから危ない』
業「はいはい」
しぶしぶAから離れココアを飲む
『もう今日みたいな事はしないで』
業「後ろから抱きついた事？」
『そうじゃなくて』
業「そうじゃないの？」
悪戯っぽく笑うと
『あ、いや、それもそうだけど
あんな雨の中待つこと』
業「心配してくれてるの？」
『毎回こんな事したくない』
そう言いまた俺を突き放す
だけどそんなの俺には意味無いよ
業「美味しかった
ごちそうさま」
飲み干したココアのコップをAに返す
そしてAの顔に顔を近づける
『！』
業「それでも俺Aの事諦めないから」
そう言ってAの頬にキスをした
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ナナシの人 - 前作の最後といい今回の第3話といい カゲロウデイズのヒビヤみたいで少し嬉しかったです(カゲプロ好きなので) (2019年11月21日 16時) (
レス) id: 710da74c2e (このIDを非表示/違反報告)
トモシビ - もう何回読んでもボロボロ泣けますよね… (2016年7月25日 19時) (レス) id: 3b170e76e9 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - トモシビさん» 最後のところ何回読んでも泣けますよね…私も書きながらヤバかったです… (2016年7月25日 9時) (レス) id: cbb44fedf8 (このIDを非表示/違反報告)
トモシビ - 泣ける…ヤバイ、涙が… (2016年7月25日 2時) (レス) id: 3b170e76e9 (このIDを非表示/違反報告)
未来 - 夢主ちゃんの過去・・・てか殺せんせーでてきたし・・・どうなるの？ (2016年7月19日 17時) (レス) id: 0628018844 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ
| 作成日時：2016年4月10日 15時
