第12話 潮時の時間 ページ14
『私E組を出ます』
目の前のAは無表情でそう告げた
烏「どういうことだ」
『そのままの意味です』
烏「何を突然…」
『突然じゃありませんよ
私もともとA組の生徒ですし』
烏「だがここに来たのは上からの命令だろう？」
『上も了承済みです
そろそろ潮時でここにいる必要は無い
だから私の判断に任せると』
烏「だからって」
『だからですよ』
今もなお表情を崩さず淡々と続ける
『この前の信号待ちの件や鉄柱の件
多分…というか絶対あの男の仕業です』
俺はもうAに関わるなと言った
だがそれを素直に聞くとは到底思えない
『私がここにいる事で皆に迷惑をかける』
烏「…」
俺は今Aに何て言葉をかければいのだろうか
心配するな、きっと大丈夫だ
そう言えばいいのか？
いや、違う
そもそも何が大丈夫なんだ
無責任にも程がある
烏「これはお前が自分で決めた事なんだな？」
『はい、そうです』
Aのことだ
考え考えやっと出した答え
それではもう何も言えないではないか
『正直のところ迷っていたんです
ですが今日はっきりしました』
烏「…奴にはどう説明する」
『殺せんせーですか？
彼には自分で話します』
烏「きっと納得しないぞ」
『それは大丈夫です』
キッパリとそう言い切った
烏「何か策でもあるのか？」
『そんな大した事じゃないですよ
心配無用です
…計画のためにもこんなところでしくじってられませんから…』
最後の方は小さく呟いた
自分に言い聞かせるように
『すみません、少し話しすぎましたね
では私はこれで…』
有無を言わせぬようにそう言い
頭にある俺の手を取り抜けようとするA
烏「E組の生徒達にはどうする？」
それを遮り俺は尋ねた
『どうするとは』
烏「おそらくどんな理由であろうと
彼らも納得しないだろうな」
『それは…』
ここで初めて言葉を詰まらせた
…が
『惟臣先輩よろしくお願いします』
烏「俺に放り投げるな」
『それが先輩の役目じゃないですか』
烏「意味が分からん」
『大丈夫だと思いますが
くれぐれも本当の事は絶対に話さないで下さいね』
烏「おい」
『それでは改めてよろしくお願いします』
それだけ言い残し今度こそ部屋を出た
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ナナシの人 - 前作の最後といい今回の第3話といい カゲロウデイズのヒビヤみたいで少し嬉しかったです(カゲプロ好きなので) (2019年11月21日 16時) (
レス) id: 710da74c2e (このIDを非表示/違反報告)
トモシビ - もう何回読んでもボロボロ泣けますよね… (2016年7月25日 19時) (レス) id: 3b170e76e9 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - トモシビさん» 最後のところ何回読んでも泣けますよね…私も書きながらヤバかったです… (2016年7月25日 9時) (レス) id: cbb44fedf8 (このIDを非表示/違反報告)
トモシビ - 泣ける…ヤバイ、涙が… (2016年7月25日 2時) (レス) id: 3b170e76e9 (このIDを非表示/違反報告)
未来 - 夢主ちゃんの過去・・・てか殺せんせーでてきたし・・・どうなるの？ (2016年7月19日 17時) (レス) id: 0628018844 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ
| 作成日時：2016年4月10日 15時
