報道26* ページ28
「A……あのさ」
『ん？』
「あ…」
聞くだけ
確かめるだけ
「えっと…」
『うん』
「…やっぱ何でもないや」
それだけの事が出来ない
『どうしたの？』
不思議そうに首を傾げるAに
「コッチ」
そう手招きすると素直に来てくれる
今日も相変わらず可愛いよ
そりゃモデルで彼氏がいるからって、皆ほっとけないよな…
『徹？』
極めつけはこの上目遣い
無意識でのことだろうから毎日俺の心は揺すられている
『とお…』
「好き」
『う、うん？』
「Aは？」
『え？』
「Aは俺のこと好き？」
『勿論好きだよ？
いつも言ってるじゃない』
先程からの突然の俺の言動に戸惑っているのがよく分かる
そんな彼女の唇に
俺は自分の唇を重ねた
最初は触れるだけのキスも
角度を変え回数を重ねる度に
深くしっとりとしたキスへ変えていく
気持ちがイイ
きっとAもそう思ってくれている
けどこれだけじゃ足りない
『んぁっ……ふ…ん』
ふいに少し開かれた口から一気に舌を入れ込む
一瞬ビクッとAは震えるものの
すぐに“もっと”とせがむように
俺にしがみついてくる
否、単に腰が砕けそうだけか
俺はゆっくりとキスを続けながらAを押し
後ろのソファに倒れ込むよう仕向け
Aに覆いかぶさった
尚も入念に舌を絡ませ合いながら
俺の手がAの服に触れ
前のボタンに手を掛けたその時
『今日はダメ』
唇が離れ
Aの手が俺の胸板を押した
「え」
『明日ちょっと大事な練習試合なの』
「……」
拒絶……じゃないよな
『明日ならいいから、ね？』
「…分かった」
俺こんなにネガティブだったか？
誰かドンドン深みにハマっていく俺の不安を止まってくれ
ただの噂に振り回されるなんて俺らしくない
『ありがと』
Aのことはもちろん信じてる
「でもキスならいいよね？」
けどやっぱり不安で心配なんだ
『うん』
その返事を聞いた瞬間
再び俺はかぶりつくように
Aの唇にキスを押し当てた
シンとした部屋に
水音と俺達の吐息が漏れ響く
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ユウ(プロフ) - あやさん» それほど言っていただけるとは私まで泣きそうです。こちらこそありがとうございます！ (2017年8月16日 18時) (
レス) id: 90a11583d9 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 及川さんがかっこよすぎて、そして幸せそうでガチ泣きしました。こんな素晴らしいお話を書いてくれてありがとうございます (2017年8月15日 15時) (レス) id: 82d4d2dc66 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - *円華*さん» ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいかぎりです！新婚さんの件、検討させていただきます (2017年7月8日 18時) (レス) id: bc7d7ad0aa (このIDを非表示/違反報告)
*円華*(プロフ) - マネの時代から見させていただいていました…最高ですね！なんか、もう、ほんと、凄い小説でした！新婚さん投稿、お話の世界の人々だけでなく、是非私たちにも見せて頂きたいのですが… (2017年7月3日 19時) (レス) id: ba9223ed8c (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - suzuhaさん» 前作から読んでいて下さったのですか！ありがとうございます！今のところなかったのですが、検討してみます！ (2017年7月2日 8時) (レス) id: f358816963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ
| 作成日時：2017年6月4日 11時
