【及川徹】熱 愛 報 道

報道23 ページ25

「白咲さんは普段少女漫画は読まれますか？」





『少女漫画ですか…』









＊＊＊





徹と付き合い始めて間もない頃





＊









「A

なーに読んでるの」





ベットに寝転がって漫画を読んでいたところ

背中に徹が覆いかぶさるように乗ってきた





『…重い……』





なんて言いつつ背中に感じる徹の体温にドキドキしてしまう





「マンガ？」





『うん』





「珍しいね、買ったの？」





『ううん、友達に借りた』





「それも少女漫画じゃん

どうしたの急に」





『いやー私そういえば読んだことないなって思って』





「それでわざわざ読もうと思ったの？」





『…うん』





「ん？」





『知ってると思うけどほんとに何も知らないから。

彼女として徹に何をしてあげればいいのかとか』





「え？」





驚く声が耳元で聞こえる

そこで初めて自分の口を滑べらせた事に気が付いた





『あ、いや、その…

付き合うのとか、初めて…だから…』





自然としぼんでいく語尾

恥ずかしい事を言っているのなんて百も承知



幸い、顔は見えないと安心したその時

持っていたマンガが手から取られた





『あ、まだ読んでる途中』





「そんなのマンガで勉強しなくても俺が教えてあげるよ」





『！』





いつもより少し低めの声に肩をビクッと揺らす





「俺からは教えてほしくない？」





『え？』





「ん？」





『お…』





「お？」





『…お、教えて…ほしいです』





少し首を回し横をみると

覗き込むように私を見ていた徹の顔がすぐ目の前に来る





「！」





それに驚いたのか徹は一瞬目を見開いた



けれどそれからすぐ徹は私の肩に手を置いたかと思うと

そのまま私の体を仰向けにして再び耳元で囁いた









「手取り足取り

いくらでも教えてやるよ」









今度は少し目を細め笑い





優しく私の唇にキスを落とした









＊






俺らのマネは
NO.42 爽やか君

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