俺らのマネは＊3【ハイキュー】

No.12 ハミチキ ページ14

「京谷に用！？」





俺の案内により

Aさんは今、机を挟んで

席につく京谷の正面に立ち向かい合う





『初めまして』





京「……」





『貴方が休部してから直ぐの夏休みに

バレー部マネージャーになった白咲Aよ』





京「…ベストセッターだったやつ

……知ってる」





先輩に対してどんな口の聞き方だよ！





『あ、中学の時の…知ってるんだね

でも今は青城のマネージャー』





しかし別に気にすることなく話を進めるAさん





京「……」





また黙ってしまった京谷に





『はい、これ』





そう言ってAさんはレジ袋を差し出す

京谷は不審がり受け取らなかったが





『ハミチキ、好きなんでしょ？』





そう言われ無言で手を伸ばした



実に単純な奴だ





京「…なんスか」





『バレー部の話聞いた？』





京「…はい」





『何で来ないの？』





京「……行ったところでどうせ…」





吐き捨てるように口にした京谷に

Aさんが小さく笑った




『え、何聞こえない』





「「「！！」」」





しかしその目は笑っていない



この何とも言えない

Aさんを取り巻くオーラというか圧力に

周りで見ていた俺達でさえ一種の恐怖を感じた





京「…！」





『何か言いたい事ある？』





京「……行けばいいんだろ」





『うん、そっかそっか』





すると今度はいつもの笑顔に戻り

京谷の頭をワシャワシャと撫でた





京「！」





…羨ましい奴め





『じょあまた部活でね

矢巾もバイバイ』





矢「あ、はい」





そうしてAさんは

また何事も無かったかのように

2年の教室を出て行った





＊





「俺もAさんに

あの笑顔で罵倒されたい…」





一部野次馬に

妙な輩を生み出した事なんて

Aさんは知る由もない

No.13 幽霊→←No.11 2年5組

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す