No.28 悩み ページ30
もっとパワーがあれば……
もっと身長があれば……
もっと……もっと……
＊
男に生まれていたら…
そうすれば徹やクロ達とも対等に
バレーボールできたのに……
＊＊＊
布団を敷くが皆まだまだ寝ることなく
各々したいことをしたり騒いだりしている夜
俺は用があり監督を探して
ちょうど体育館の前を通りかかったその時
ﾊﾞﾝｯとボールが床に叩きつけられる音がした
誰かが体育館で練習しているようだ
話し声が全く聞こえないということは1人でやっているのだろうか
確認すべく音が聞こえてきた体育館をそっと覗くと
菅「A？」
体育館の中心にボールを手に佇むAがいた
『あっ、スガ、どうしたの？』
俺は体育館に入っていく
菅「監督に用があって
どこにいるか知らない？」
『烏養監督なら猫又監督に飲みに連れて行かれてると思うよ』
菅「マジか
そりゃ見つからないべ」
『監督達も楽しんでるみたいでいいね』
菅「だな
Aはまだ練習？」
『…うん、練習したりなくて』
そう言って笑うA
菅「あの…さ」
『ん？』
菅「何か俺に相談できることなら聞くよ」
『え？』
菅「何か悩んでそうだったから」
『…』
菅「わっゴメン！やっぱ気のせいっ…」
『私ね男に生まれたかったの』
菅「へ？」
予想斜め上からの言葉に思わず驚く
『パワーがほしい
体格がほしい
そしたら皆とも対等にバレーできる』
菅「そんな…」
今も十分Aは強いと思う
けれどそれでも足りないらしい
『どうしようもないことなんてわかってる
割り切ってるはずなのに
まだ頭の片隅に残ってて
いつも自分が情けなく…ｯ』
言葉を絞り出しながら
目に溜まった涙が零れるA
見てられなくなり
思わず抱きしめてしまった
菅「情けなくなんかないべ」
『…！』
菅「Aはちゃんと強い
だからA
もっと自分に自信を持ちなさい」
『スガ…』
菅「それと
男に生まれたかったって言ってたけど」
『？』
菅「女の子に生まれてきてくれたAが
俺は好きだよ」
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ユウ(プロフ) - ありがとうございます！訂正いたしました！ (2017年8月4日 20時) (
レス) id: 926e734020 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - この小説めっちゃ面白いです！！他の小説も頑張ってください！あと万円の笑みじゃなくて満面ﾃﾞｽﾖ!!! (2017年7月2日 5時) (レス) id: 446db82ac2 (このIDを非表示/違反報告)
トモシビ(プロフ) - ぜひ、読ませてください。更新楽しみにしています！ (2016年10月10日 19時) (レス) id: 00f07bd6cb (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 赤髪の桜さん» そんなこと言っていただけるなんて嬉しすぎて泣きそうです｡｡｡これからもよろしくお願いします！ (2016年10月10日 12時) (レス) id: f358816963 (このIDを非表示/違反報告)
赤髪の桜 - 今まで読んできた小説の中で一番面白かったです！これからもがんばってください！(ノ´∀｀*)恋愛 (2016年10月10日 8時) (レス) id: 4b4301a4fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ
| 作成日時：2016年10月8日 20時
