音柱が唯一恋した少女との話 続【鬼滅の刃】

48話 ページ6

『一度鬼の血が体内に入ってしまえば鬼になってしまい、そこから人間に戻るなんてそんな例はないでしょう』

天「……分からないだろ、探してみないと」

『………宇髄さんっっっ』


彼女の言葉にハッとする


『お願いします……ほんとに、もうこれ以上生きるのがつらい……』

天「………」


なんとか呼吸を整えている

気を抜けば、理性は崩れるのだろう

彼女は懸命に呼吸で鬼化を遅らせている


『……貴方を殺したくない、完全に鬼になってしまうわたしを見て欲しくない…』


涙を目じりにうかべて、

俺の目を一点に見つめる


彼女の手が、俺の日輪刀に触れる


『殺されるなら、貴方が良いと先程も言いました。本音です……もうわたしは、生きれない…』

天「っ………」

『…ほんとは、もっと生きたかった。時和のこともあります、あの子の成長を見届けたかった』

天「…………っっ」

『天元……さん、とも……これからもずっと時間を共にしたかった…なぁ……』

天「っ………」


自分でも驚くほど、泣いていた


彼女をもう一度抱きしめる

強く、その存在を確かめるよう……


『………』

天「……A、好きだ…大好きだ……もう、愛してる」

『…わたしも、天元さんのこと愛してます』

天「………」


自分の日輪刀を鞘から抜く


『………貴方に出会えて、本当に幸せでした』


刀を持つ手が震える


『わたし、貴方と見る星空が本当に大好きです。今も満点の星空の下、貴方とこうして一緒にいられるだけで幸せ……』


刀の先を、彼女の首元へ……


『…………ありがとう…』


微笑む彼女の表情は、

涙で視界がゆがんで良くは見えなかった…


『……愛して、ます』


天「俺も、愛してるぞ。A」


最後に、涙を流しつつ笑顔を互いに向ける


そして…………




ー ｻﾞｯ!!!!!

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