47話 ページ5
『…………殺して、ください』
真っ直ぐな目で、
確かな意志を持って放たれる言葉は
否でも耳に入ってくる
鬼の血を浴び、体内に巡るその血が
いつ彼女を完全に鬼にしてしまうか分からない
でも、時間の問題である
彼女を楽にしたいならば、
彼女の意思を尊重すべきだろう…
なのに………
天「………い、、やだ………」
珍しく、涙を浮かべる俺に
彼女は少し驚いた表情を浮かべる
『……う、ずい……さん?』
天「……どこにも、行かないと約束したろう…」
『っ………』
俺の言葉に、彼女はたじろいだ
どこにも行かないと、互いに言っただろう
彼女を守ると誓ったはずなのに、
俺は、彼女を守れなかった
それが悔しい、
自分が…情けない
『……何処にも、行きません。ただ、姿かたちが失われるだけであってあなたの心で生き続けます』
俺の胸に手をあて、そっと頭をこちらに傾ける
『お願いします、これ以上犠牲は出したくありません』
きっと、彼女自身も分かっている
時間がないことを。
理性を、人間の理性をやっとの思いで今繋ぎ止めているのだろう
天「………A」
『………』
天「離れないでくれ……俺はこの手でお前の命を終わらせたくない」
『わたしは……貴方に殺されるなら、それでもいい』
天「……A、胡蝶のところに行こう。薬がある、必ず治るから…だから……な?」
俺が問いかけると、
彼女は口ぐせのように"ご自由に"って発する
今も、そう言ってほしくて……
天「な、だから………行こう、A」
『…………ごめんなさい』
天「っ…………」
………こういう時は、
言ってくれないんだな………
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yugo__38_(プロフ) - 占ツクで泣いたのは初めてでした、、面白すぎです、、、、ほんとに泣きましたほんとですよ!?ほんとに!((伝われーーー (2020年5月15日 2時) (レス) id: aabb312e86 (このIDを非表示/違反報告)
美貴(プロフ) - 早く続きが読みたくなりました。応援してます。頑張って下さい。 (2020年2月12日 21時) (レス) id: 3783f9b51b (このIDを非表示/違反報告)
users1717(プロフ) - まなさん 鬼の血が傷口から入れば鬼になります! (2019年11月22日 16時) (レス) id: bf17222534 (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - 鬼って鬼舞辻無惨しか作れないんじゃありませんでしたっけ? (2019年11月12日 20時) (レス) id: 09f1d17384 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 涙さん» わっ、本当ですね!ご指摘ありがとうございます。修正いたします! (2019年11月12日 1時) (レス) id: 755fd42567 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作成日時:2019年11月10日 21時