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人生で一番階段使った。 ページ23

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指示を出された後、反論どころか返事する間もなく電話を切られた。





……芥川さん、上司に似たんだな(確信)

明らかなシリアス場面で全く関係ないことを考えていたから罰が当たったんだ。

白鯨が突然揺れた拍子に壁に頭ぶつけた。

ゴンッっていった。
超痛い。


「速度が落ちて、落下コースに入ったか。激突まであと十数分だな」





「……は?」





速 度 が 落 ち て 落 下 ?




えっ待ってなにそれ聞いてない。

激突?
ヨコハマにってことですか?



えっそれって全員死にますよね何ですかねフィッツジェラルドさん日本人のこと超進化型ゴキ☆リだとでも思ってるんですかね(錯乱)



そんなとき、ふ、と笑う声が聞こえた。

「理解した」

芥川さんだ。

羅生門で床に穴をあけ、中島さんと共に落ちていく。





落ちて、いく……









落ちていく?!





やっべ追いかけな。



新幹線ばりのスピードで階段を駆け下りる(は?)


めっちゃ頑張って駆け下りていると、上の方から誰かが転んだような音が聞こえた。



そう、上の方から。



ぜえはあ言いながら降りてきた階段を上がると、中島さんと芥川さんが向き合っていた。


否、正確には羅生門で中島さんが芥川さんの前に突き出されている。



「本気で思うのか?人虎。許可を出す誰かがいると。他者のため血を吐き戦えば、誰かが生きる価値ありと書かれた判を押してくれると思ったか!」

そう全く話の読めない台詞を吐いた芥川さんを、中島さんがキッと見据える。

「そう思うことの何が悪い」

それが芥川さんの神経を逆なでしたらしく、中島さんは投げ飛ばされる。

「とんだ期待外れだ!貴様がこれほどまでに愚かとは!これでは、たとえ貴様を百回殺そうと、何の戦果にもならん!」

中島さんの科白に苛ついた芥川さんの科白に中島さんが苛ついたらしく、中島さんが芥川さんを睨んだ。


「戦果だと?」

「然り!それが唯一絶対の価値!戦果無き限り、あの人は僕を認めぬ!……太宰さんは決して」


「……太宰さん?」

中島さんの怪訝そうな声が響く。

「なぜそこで太宰さんの名前が出るんだ。」



そこで会話は途切れた。

フィッツジェラルドが壁を突き破って姿を現したからだ。




反対側でよかった。

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作者名:のーと。 | 作成日時:2018年3月28日 9時

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