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雲水駅 ページ2

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「山下さん、雲水駅ってわかります?」

車を運転してもらいながら助手席の人に聞く。

「ええ、わかりますが」

「行けます?」

「まあ、はい」

「時間は?」

「30分程です」

「毎度毎度すみません。飛ばしてください」

「承知しました」


首領が何を考えているのかは知らないが、Qが雲水駅とやらに現れるという情報を得て、そこへ直行した。


車から降ろしてもらうと、何やら笑い声のする車庫のような場所へ向かう。


そこでは、太宰さんと樋口さん、銀さんが話しているようだった。


「しかし腑に落ちないねえ。森さんがこんな茶番に人員を割くとは」

「あなたを守るためです」

「守るため?」


「首領はQを座敷牢から解き放ちました」

「っ!」


太宰さんでもこの展開は予想外だったようで、目を大きく見開く。


「馬鹿な。何を解き放ったかわかっているのか。Qは、敵も味方もすべて滅ぼす歩く厄災だ」

「闘争を制するためならば、ポートマフィアは手段を選びません」

「何故Qが座敷牢に封印されたと思う。異能力の中でもっとも忌み嫌われる精神操作の異能力者だからだよ」



___Qの呪いが発動した者は、幻覚に精神を侵され、周囲を無差別に襲う。呪いを発動させる契機は、呪いの根源たる人形が破壊されることだ。ただし人形が破壊された時、呪いを受けるのは受信者のみ。受信者になる条件は、Qを傷つけること。受信者の体には、誰かに掴まれたような痣が浮かび上がるから、判別は容易だ____



「…ん?ここに来た時、私を守るため、と言ったね。…っ!しまった!」


太宰さんが走り去っていくのを見届けると、倉庫の入り口の前に立つ。

「!」

「Aさん?!」

「首領の考えが私にはわからない」

「…ええ、最初は意見が割れましたが、最終的に首領によって決定されました」

そのまま私がうつむいていると、樋口さんが口を開く。

「ポートマフィアの中でも、Qを忌み嫌っている構成員が少なくないことは知っています。あなたもその一人」

拳を固く握りしめる。


「…首領の考えが私にはわからない」

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作者名:のーと。 | 作成日時:2018年3月28日 9時

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