餓鬼 ページ8
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その日はポートマフィアの傘下の組織が裏切ったとかでそこの幹部を捕らえに駆り出されていた。
黒服の働きを路地裏の上から見物していたが、こともあろうに餓鬼が迷い込んできた。
このまま放っておいても面倒なことになりかねないので、さっさと始末してしまおうとそいつに重力をかけたが、まるで効果がない。
おかしいと思ってもう一回試してみるが、やはり結果は同じ。
まさかあのクソ太宰と同じ反異能力者だろうか。
それなら厄介だが、ポートマフィアに引きずり込めば戦力となるなど考えてしまうあたり、俺もマフィアだなと思う。
下におり、そいつの肩に手を置くと、奇声をあげて振り向いた。
「おい手前、何者だ」
「た、ただの中学生の普通の女の子です普通の」
普通のって二回言いやがった。
普通なはずがない。
「普通?ンなはずねェ。俺の重力操作が効かねェンだ。常人じゃねェことは確かだ」
「はい?」
目の前の餓鬼は訳が分からないというような顔をしていたが、しばらくすると何か合点がいったようで、あ、と小さく声を漏らした。
そして、何かごにょごにょと言ったが、聞き取ることが出来なかった。
「あ?」
「いえ!なんでもないです!なんでもないよ!」
随分と慌てた様子だ。
連れて帰るか(急展開)
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作者名:のーと。 | 作成日時:2018年2月6日 18時