検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:156,199 hit

パトカー ページ39

.

芥川さんに、先ほどカルマトランジットの連中を口封じに殺したから生きてるやつがいないか確認してこいという連絡がきて、カルマトランジットの本部にきていた。


自分で確認してからその場を離れよう、芥川さん。


すると、声が聞こえてくる。


「っ、やられた…!先手を打たれました!」

谷崎さんの声っぽい。

「口封じに…全員、殺されてます」


誰かと電話をしているみたいだ。


「ん?谷崎さんじゃないですか」

「っ!」

そんなにびっくりしないで私のガラスのハートが傷付いてしまう…。

「ポートマフィアがいます。……Aちゃんです」

谷崎さんの方へ近づくと、やがて電話相手がわかった。


〈なんだと?谷崎、逃げろ。そいつは遠距離異能の能力者だ〉


国木田さんだ。


「あらまあ、派手にやったもんですね。酷いわこりゃ」

聞こえないふりをして谷崎さんの奥を覗き込む。


マジでひどい。
殺すくらいだったら自分のトラック使えばいいのに。



急に、谷崎さんが声をかけてきた。

「これ…Aちゃんがやったの…?」

「え?」

これを?

私が?

「そんなわけないじゃないですか。私の“今の”異能力は一度にこんなに大量殺人できるものじゃないし、なにより私あんまり人殺したくないので』


そうです。
今の私の能力は「墓地への道」です。

トーマス君に借りてます。

「じゃあ、なんでここに…」

『確認して来いって言われたんです。探偵社や軍警がいたら殺せって』

「!」

あからさまに肩を震わせ、一歩ずつさがっていく谷崎さん。


いや殺す気はさらさらないんだけれども。



〈谷崎!今救援に向かう。変な真似はするなよ。殺されるぞ〉


「国木田さーん、全部聞こえてますよー。言ったでしょうが私人殺したくないの。殺した人に大事な人やら待ってる人やらがいたら不憫でしょうが。…谷崎さんには妹さんがいるんでしょ?」


電話を取り出し、芥川さんにかける。


「あ、もしもし?誰もいませんでしたよ」


〈重畳〉


「…なんかパトカーの音聞こえてきたけど」

〈そうか。うまくやれ〉


ツー、ツー、ツー…





酷くない?!

非合法組織の自分の相棒(仮)にパトカーが接近しているのにもかかわらず!


「そうか。うまくやれ」だと?




ふざけるなパフェ奢れ!




顔が割れていないとはいえ隣に自分の素性知ってる人いるんだよ?

やべえこれバラされるんじゃないの?

谷崎さん→←カルマトランジット



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (41 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
77人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:のーと。 | 作成日時:2018年2月6日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。