走れメロス ページ25
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「ほら、案内係ぃ!僕一人じゃ探偵社に帰れないでしょうがー!」
「…なんとなくわかりました。探偵社のみんなが、乱歩さんを信頼してる理由が」
なんとなくわかりました。
友人が乱歩さん乱歩さんうるさかった理由が。
「ところでAちゃん。お話があるのだけれど」
「私はないです。仕事に戻ります。さようなら」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
「仕事…?なんか、バイトしてるの?」
いいえ、正社員です(マフィアです)
「Aちゃんはね、異能力を使った仕事(?)に就いてるのさ」
「(?)は余計です。ちゃんとブラック企業ですから」
「君、異能力者だったの…」
何だ悪いか(喧嘩腰)
「で、お話があるからちょっとついてきてほしいのだけど。何ね、そんな重大な話じゃないよ」
「じゃあ帰ります」
「(国木田君の)奢りだよ?(国木田君の)」
「行きましょう」
今チョロいとか思った?
だって奢りだぜ?(チョロい)
すると、電話がかかってきた。
「げ」
携帯の画面には「芥川さん」の文字が。
「はいもしもし」
「ごん。今どこにいる」
「安部です。なんでですか?」
「いや。マフィアのビルにお前がいなかったからな。今日実行された人虎捕獲作戦から黒蜥蜴の探偵社殲滅作戦まで、ことごとく失敗して書類が溜まっている。手伝え」
「嫌ですよ。それに人虎捕獲やら探偵社殲滅やらに失敗したことぐらいわかります」
「何故だ」
「隣にいるもん」
ちなみに中島さんには(多分)聞こえてないので大丈夫だ。
「なっ、捕獲しろ!」
「無理ですよ」
「何故だ」
「だって太宰さんもいるし」
「は?……何故そうお前の行く先々に人虎と太宰さんがいるのだ」
「さあね、私のせいじゃないし?」
芥川さんはため息をこぼすと、言った。
「10分で戻って来い。さもないと書類を全てお前に回す」
「はっ、ちょっ、やめてくださいよ!」
電話が切れた。
あいつ恨む。
末代まで祟ってやる。
「何何〜?」
太宰さんが寄ってくる。
中島さんは乱歩さんにいじられている。
「恋人からの電話?」
「違います」
ニヤニヤしてくる太宰さんに即答で返す。
「ちょっと私ビルに戻ります」
このままだと仕事増えて学校の宿題終わらない。
答えなど聞かない。
とりあえず全力疾走でエレベーターを待つ分と乗る分の時間の余裕を作るのだ。
走れ自分。
走れメロス!(違う)
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作者名:のーと。 | 作成日時:2018年2月6日 18時