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推理 ページ24

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「異能力じゃない?じゃあ、どうやって…」

「だからあれは、純粋に推理だ」

「そんな…。だって、あんな短い時間で犯人を当てたんですよ。そんなことが、ただの推理で可能ですか?」

「ああ、それなら私にもわかったよ。あの杉本巡査、言ってたよね」


[偽装のためだけに、遺骸に2発も撃つなんて]


「でも3発撃たれてる死体を見たら、誰だって3発同時に撃たれたって思うよ。つまり彼は、一発目で被害者が死んだことを知っていたのだよ。解剖がまだなのにそれを知っているってのは?」

「犯人だけ…」


待て。
決めつけちゃいけない。
想像力が豊かだっただけかもしれないじゃない!(謎の弁解)



「でも、犯行時間も当てましたよね。昨日の早朝だって」

「それはねえ。遺体の損壊は少なかったから、川を流れたのは、長くて一日。昨日は土曜。刑事さんにとってはバリバリの平日だ。なのに遺体は、化粧もしていなかった。激務で残業の多い刑事さんが、平日に化粧無しとくれば、死んだのは早朝」

「そうか…。他の犯行現場とか、銃で脅したとかは、どうやって?」

「そこまではお手上げだよ。乱歩さんの目は、私なんかよりずっと多くの手がかりをとらえているだろうし?」

「そうですよね…。彼女の最期の言葉まで当てちゃうくらいだから…」



「ああ、あれはね。彼女に交際相手はいないって話だったよね。でも彼女の腕時計は、海外のブランドものだった。独り身の女性が自分用に買う品じゃない。それと杉本巡査の腕時計も、同じモデルの紳士用だった」

「じゃあ、あの二人は…」

「早朝の呼び出しに、化粧もせずに駆けつける…。そして、同じモデルの腕時計。二人は、恋人同士だったのだよ。だから彼は、彼女の顔を蹴って砕くことが出来なかったんだ。そうしないと、マフィアの仕業に見せかけられないとわかっていても。それを見抜く能力も、それが異能力ならば、それは現象だ。それ以上でもそれ以下でもない。だが、本人の推理力であるとすれば、話は別だ。乱歩さんが過去に解決した事件は、十や二十ではない。それらすべての事件において、一見しただけのわずかな情報から、真相を一瞬で見抜き、そして、ただの一度も推理を外さなかったことになる。実に偉大な御仁だ。ね、Aちゃん?」



「何で私にふるんですか。やっと空気になりかけてたのに」

「空気になりかけてたからふった」

「……」

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作者名:のーと。 | 作成日時:2018年2月6日 18時

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