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「ここが風呂や!先入って待っとってね!!」
といい坂田はふろ場を後にした。
「ふろ場ってレベルじゃない…温泉みたいに大きい…」
扉を開けると、露天風呂付きの広い浴槽が広がっていた。
「はぁ、凄い…」
月明かりで水面がキラキラと光る。湯気がゆらゆらと上にあがる。ゆっくりと素足を湯船に入れる、全身まで浸かるA。
「気持ちい…暖かい。空気も美味しいなぁ」
ほとんど都内で育ったため自然に囲まれた場所の空気がこんなにも澄んでいるなんて知らなかったAは、深呼吸した。
すると、ガチャっと扉が開く音がした。
「え」
振り向いたそこに居たのは、タオルを腰に巻いて立っている志麻と坂田だった。
「どうやー?リラックスしてるー?」なんて言ってAの近くに寄ってくる志麻と坂田。
「リ、リラックス出来ませんよ!!!近づかないでくださいっ!!」
持っていたバスタオルで身体を隠すA。それを見た志麻がにやにやして「やっぱ、ええ身体しとるやん」と、胸元に手で円を宙を切る。
「ッなんですか、見ないでくださいよっ!!!!」
そう言い、浴槽の端まで移動するA。そんなこと気にもとめずに志麻と坂田はAの居る浴槽に入っていく。
「俺が来たのはね、Aが大丈夫かなぁ?って来たんよ」とニコッとAに笑いかける坂田。
「そうだったんですか…すみません、心配かけてしまって」
謝らんといて!なんて言ってくれる坂田さん。
「いや、違うでAちゃん。坂田はただAちゃんと風呂入りたいだけやで」
「ぇ」
「なんで言うん!!!!ふざけんなやまーしぃ!!」と言って志麻を魔法で吹き飛ばす坂田、その吹き飛ばされた志麻は、A目掛けて飛んでいき、バシャーンと、水しぶきが上がりました。
「は…やべ、心臓落とした…」と言う志麻、よく見てみるとAのお腹の上に志麻の心臓と見られるものが、ドクッドクという音を立てて転がっていた。
「ッヒィ」
それを見たAはか細い悲鳴をあげて気絶した。
「あちゃ〜、気を失ってもーたやん坂田」
「だ、大丈夫!???!?」とAの元へ駆け寄る坂田。
「あともう少しで揉めたんに〜」そう言いながらAの上に乗った心臓を回収しつつ、Aに巻かれているバスタオルに手を突っ込む志麻。
「って何どさくさに紛れて触ろうとしてんねんっ!」などと言って志麻の頭を叩く坂田。
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作者名:まろまる | 作成日時:2023年11月18日 5時