９話 ページ10
先刻摘んだばかりの花。本来なら、まだまだ根は伸びる空気も見せぬはずなのに、もう花瓶の底を埋め尽くしかけている。
最初に見た時より、茎も根太く、くびれてきているような気もするが気にしないでおくことにした。
普通、花というのは生命力が高い。高いけど、繊細に扱ってあげなければすぐに枯れてしまうのも事実である。途中の茎を切り刻んでも、水につけておくと根を張る。それは幼い時に理科の実験で学んだことだ。
個人的には、ある程度根が伸びてきたら花瓶から植木鉢の方に移してあげようと思っていたのだけど……もう、植木鉢を用意しなければいけ無さそうだと思った。
ここは、信じられないが地底＿＿モンスターの暮らす地底の世界……私の摘んだ花だって、もしかしたら普通じゃないのかもしれない。ここでは人間の暮らす常識なんて、通用するかどうかわからないんだから。
……この場所では、現実味を帯びたことなんて逆に非現実なのでしょ？
「準備ができましたよ〜っ」
「あっ、ハイ！只今参ります」
若干の違和感を心に抱いて、Torielさんの所へ向かうべく部屋を出た。廊下を歩くごとに強くなる甘い香り。少しくらりとしつつも、お腹の中に巣食う虫は「おなかすいた」と本当に悲鳴を上げかけている。
「サプラーイズ！……と、いう訳でもないけれど。今日からここで暮らすことを記念してパイを焼いたのよ。残念ながらカタツムリは今日無くって……バタースコッチシナモンパイにしてみたの。」
真面目に命拾いしたな、と思った。
「あっ、もしかしてシナモンはきらいだったかしら？」
「いえ、大好物です」
寧ろ、カタツムリの方を心配してほしい気持ちは有ったが、しょうがない事だ、と心の中で抑え込んだ。
バタースコッチシナモンパイは、とてもおいしかった。
「ところでTorielさん。エスカルゴとか、無いんですか？あの、食用カタツムリ…す、すみません…なんだか私がこんな、」
「えすかるご…？どうして？カタツムリはカタツムリじゃあないの？」
「ひッ…ッ」
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いちご飴☆(プロフ) - ダジャレが好きな主人公ですか・・・私もダジャレ大好きです・・・。あ、すっごく面白い作品ですね！作者さんのペースで頑張ってください、応援します！ (2022年2月18日 23時) (
レス) id: 5f094832cd (このIDを非表示/違反報告)
病蛟(プロフ) - らぁーゆさん» 今回ばかりは流石に予想していなかったので正直戸惑いましたがなんとか投稿させて頂きました。お待たせしました (2022年2月5日 1時) (レス) @page19 id: a53994f60f (このIDを非表示/違反報告)
らぁーゆ(プロフ) - うわぁぁ！とても最難なことが起こりましたね💦深夜まで待っております！ (2022年2月4日 20時) (レス) @page17 id: ebbeaa48a3 (このIDを非表示/違反報告)
病蛟(プロフ) - うまさん» そう想っていただけて幸いです。引き続き楽しんで頂けるよう更新の方頑張って行きたいと思います故…どうぞよろしく御願いします (2022年2月4日 17時) (レス) id: a53994f60f (このIDを非表示/違反報告)
うま - この作品すきなので更新頑張ってくださいっ！ (2022年2月3日 20時) (レス) @page16 id: 0cf6b27ac1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：病蛟 | 作成日時：2022年1月16日 15時
