40話 ページ41
「……あと、お前さん、もうとっくの昔に嫁に行けるような身体じゃあないだろ」
「ッ…!?」
彼が振り向いて此方を見る。いつも目のくぼみの中にみえた白い光はなくなっていて……ただ、ぽっかりと穴の開いたくぼみが私をとらえた。
き、きもちわる…ッ…気持ち悪い、気持ち悪い!!
「……流石にデリカシーってのが無かったか?hehheh……スケルトンをナメんなよ、骨が歪んでるかどうかなんて一発だ。オイラなりの仕返しだぜ」
質の悪い笑み、怒ってもないけど、笑ってもない、笑ってるけど……笑ってない。感情が読めない、な…どうして…ぞわぞわと変な気持ちと考えがずっとずっと頭を回り始める…
違う……こんな記憶違う……隠さないと、封印しないと……
タバコ、吸わないと……
私……ッ私は、ただ……タダ…
*______________?
………あ、あぁ…そう、だね…
「……すみ、ません……すみません、すみません…出しゃばって、私が調子に乗ってあんなこと、」
助かりたい
「貴方がどれほど不快だったか……今ので、理解…し、しました…」
思い出したくない
「もっと自制するべきでした、ハイ。……配慮、足りなかったです…すみません、すみませ…ッ」
なんとかなるよね、
「ッ…オイ」
「すみません」
だって教えてくれたのは貴方でしょ。
「オイ」
「ッ……すみ、ませ…ッ気に、食わない…ですか…」
「ちげぇよ…」
助かるんでしょ……?
強く胸倉を掴まれた。殴られる?どうされる?無理矢理倒されて…後ろ手に固定されて……ここ何年かの、思い出すはずもない記憶が湧き出て溢れた。
「お前の今の謝罪には何も感じない……沢山下げる頭には何の価値もないんだよ…そのすみません、も聞き飽きた。謝罪すればどんなものでも沈静化できると思ってやがる。何が死を願する死願者だよ、甘ったれやがって…!」
ひとしきり、騙られて……どっと突き放された。シャツがぐしゃりと乱れる。
そのシャツを眺めながら、私はさっき言われた言葉が頭の中で反芻していて吐き気で一杯だった。
______沢山下げる頭には何の価値もない…?
じゃあ……じゃあどうしろッていうのよ……言葉だけじゃ、アイツらは何も聞かない。土下座を求める、見返りを求める、土産を求める、あるときは………身体を、求めてくる
手首がかゆい……首筋がかゆい……アレルギー反応を起こしたときみたいに、がりがりと、かきむしりたくなった。
37人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちご飴☆(プロフ) - ダジャレが好きな主人公ですか・・・私もダジャレ大好きです・・・。あ、すっごく面白い作品ですね!作者さんのペースで頑張ってください、応援します! (2022年2月18日 23時) (レス) id: 5f094832cd (このIDを非表示/違反報告)
病蛟(プロフ) - らぁーゆさん» 今回ばかりは流石に予想していなかったので正直戸惑いましたがなんとか投稿させて頂きました。お待たせしました (2022年2月5日 1時) (レス) @page19 id: a53994f60f (このIDを非表示/違反報告)
らぁーゆ(プロフ) - うわぁぁ!とても最難なことが起こりましたね💦深夜まで待っております! (2022年2月4日 20時) (レス) @page17 id: ebbeaa48a3 (このIDを非表示/違反報告)
病蛟(プロフ) - うまさん» そう想っていただけて幸いです。引き続き楽しんで頂けるよう更新の方頑張って行きたいと思います故…どうぞよろしく御願いします (2022年2月4日 17時) (レス) id: a53994f60f (このIDを非表示/違反報告)
うま - この作品すきなので更新頑張ってくださいっ! (2022年2月3日 20時) (レス) @page16 id: 0cf6b27ac1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:病蛟 | 作成日時:2022年1月16日 15時