31話 ページ32
その後もほんの少しの会話を鳥のモンスターさんを介してGrillbyさんと交わした。
気にしないで、と言われた手前これ以上踏み込むわけにも行かない……Grillbyさんも特別動揺していないし、きっと間違ってはいないのだろうし。
取り敢えず、少し整理をしよう。
まず、私は今このGrillbyさん、に保護されている状態。
保護された当時の状態は雪で埋もれかけていた……ってことは、結構な間雪の上で倒れていたってことになる。
ただここで問題なのは、私はいつどこで倒れた?それだけが分からない。
Sansさんとダジャレを言い合って……その後一瞬の隙を付いて逃げ出して……
「わからない」
靄がかかったように何も思い出せない。思い出すことさえ禁じられているような気がしなくでもないけど……それにしても、なんか言われたあの言葉も……わかんないなぁ
変な、感じだった。何処か聞いたことあるような……否、無いか。
「あ、パーカー乾きました?ありがとうございますGrillbyさん……このパーカー無いとどうも力が出なくて。よかった。」
そっと手渡された何時もの青いパーカー。雪の所為でパーカーもかなり湿っていたようで。わざわざ軽く洗って乾かしてくれたってんだからありがたい。
勿論、そのまま身に着けていた服も湿っていたっちゃいたが……どうすることもできないし、仮にこっち迄洗われちゃ私もお嫁に行けない
パーカーに袖を通して、すん、と軽く匂いを嗅いだ。いつもの匂いがする。
……骨の匂い。
私の、ヤニの匂いが染み付いて、染み付いて…染み付いた結果が、コレだ。まぁ、別にこの匂いに嫌悪感を抱いているワケではない。私は気にせず同じ銘柄の煙草を吸うし……
まぁでも…
骨……と、思い返すと今は少し複雑な気分を覚えるけれど。
それにしても、もう大量のモンスターさんにニンゲンだとバレているわけだけど……どうしてこうも和気藹々なんだ?……ニンゲンって、モンスターにとって危険な存在じゃあないの…?
大きな甲冑を身にまとった犬の頭を撫でながらそう思う。
イヌは千切れんばかりに尻尾をぶんぶん振って私のお腹にぐりぐりと頭を擦りつけていた。可愛いけど……可愛いけど……
「あの、Grillbyさん。不躾なのは承知ですが先に行かなければならない所が、ありまして。……この御恩は必ず後ほど返しにまいりますので、どうか今は先に行くことを許しては___」
「Oh…Yes…!」
ブラウン管テレビから大きく声が響いた。
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いちご飴☆(プロフ) - ダジャレが好きな主人公ですか・・・私もダジャレ大好きです・・・。あ、すっごく面白い作品ですね!作者さんのペースで頑張ってください、応援します! (2022年2月18日 23時) (レス) id: 5f094832cd (このIDを非表示/違反報告)
病蛟(プロフ) - らぁーゆさん» 今回ばかりは流石に予想していなかったので正直戸惑いましたがなんとか投稿させて頂きました。お待たせしました (2022年2月5日 1時) (レス) @page19 id: a53994f60f (このIDを非表示/違反報告)
らぁーゆ(プロフ) - うわぁぁ!とても最難なことが起こりましたね💦深夜まで待っております! (2022年2月4日 20時) (レス) @page17 id: ebbeaa48a3 (このIDを非表示/違反報告)
病蛟(プロフ) - うまさん» そう想っていただけて幸いです。引き続き楽しんで頂けるよう更新の方頑張って行きたいと思います故…どうぞよろしく御願いします (2022年2月4日 17時) (レス) id: a53994f60f (このIDを非表示/違反報告)
うま - この作品すきなので更新頑張ってくださいっ! (2022年2月3日 20時) (レス) @page16 id: 0cf6b27ac1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:病蛟 | 作成日時:2022年1月16日 15時