20話 ページ21
「どうして……皆こぞって私の元から離れてAsgoreに殺され……貴方も、同じ結末を辿るものだと思ったのに、どうして……どうして貴方はMERCYを選ぶの!?」
Torielさんの心からの叫び。その頬にはぼろぼろと涙だって零れていた……それを見て、私の……Soulも共鳴するように彼女の思いが染み込んだ。
「攻撃する心算が無いのなら逃げなさい!」
「heh……違うんです……攻撃する意味が無いんです。Torielさんのその攻撃も、私を思っての事だと分かっているから」
誰かさんが口癖のようにこう呟いていた。
____人の御厚意は無下にしちゃいけないよ
「思い出にまでしゃしゃッてくんじゃあねェよ腐れ外道」
_______知ってンだよ、ンな事
ヤケに投げられた火の玉を避けて、避けて……一寸当たってじくじくと痛み始めるが、気にする暇が有ったら…見逃せ、見のがせ、みのがせ…身逃がせ
火の玉はご健在。でも、次第に私を避け始める。
「……Torielさん」
*ACT
「どうして私が出ていかないか、聞きましたね」
*ACT
「此処に落ちてきたニンゲンの意図など私は知らない。でも…その子達は地上に戻りたがった……地上に、未練が有ったんでしょうね。だから、出ていった」
*ACT
「その点、私はどうです?この山に…死ぬために来ました。寧ろもう…地上に未練なんてこれっぽっちも無いんですよ」
*ACT
「私は、貴方の様な優しさに触れて……ほんの少し嬉しかった。どうせすぐには死ねない。なら……未だ適度な優しさに溺れていたい。此処に落ちて、そう…思えたから」
*ACT
「もう一度言います___Torielさん、MERCYです」
*MERCY
燃え盛っていた炎は勢いを無くし、そして……鎮火。炎に照らされてぼんやり明るかった周辺も、元通りに暗く寒い。
攻撃は止んだ。私の、勝ち
___そう考えると、フッと緊張の糸が切れた気がした。
空間には、ただすすり泣く声……Torielさんのニンゲンに対する愛情は本物。
戦闘前、Torielさんは「もう次のニンゲンが落ちてきてしまったの」と言った。と言う事は、私のちょっと前に、落ちてきたニンゲンが居ると言う事。
だから、会った当初ニンゲンの数を応えるのに少し悩んだんだ。
「Torielさん、戻りましょう。此処寒いですし……後、扉の向こうの人、まだ居たら今日はお帰り下さい」
Torielさんを支えて立ち上がる。彼女が先程迄話をしていた人に声を掛けたら、「ヴ」と少し掠れた声と雪を踏みしめ遠ざかる音が微かに聞こえた。
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いちご飴☆(プロフ) - ダジャレが好きな主人公ですか・・・私もダジャレ大好きです・・・。あ、すっごく面白い作品ですね!作者さんのペースで頑張ってください、応援します! (2022年2月18日 23時) (レス) id: 5f094832cd (このIDを非表示/違反報告)
病蛟(プロフ) - らぁーゆさん» 今回ばかりは流石に予想していなかったので正直戸惑いましたがなんとか投稿させて頂きました。お待たせしました (2022年2月5日 1時) (レス) @page19 id: a53994f60f (このIDを非表示/違反報告)
らぁーゆ(プロフ) - うわぁぁ!とても最難なことが起こりましたね💦深夜まで待っております! (2022年2月4日 20時) (レス) @page17 id: ebbeaa48a3 (このIDを非表示/違反報告)
病蛟(プロフ) - うまさん» そう想っていただけて幸いです。引き続き楽しんで頂けるよう更新の方頑張って行きたいと思います故…どうぞよろしく御願いします (2022年2月4日 17時) (レス) id: a53994f60f (このIDを非表示/違反報告)
うま - この作品すきなので更新頑張ってくださいっ! (2022年2月3日 20時) (レス) @page16 id: 0cf6b27ac1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:病蛟 | 作成日時:2022年1月16日 15時