飼い犬 [最俺] ページ20
- ヒラ
*
座りなよ、そう言われたが彼の指の先は床だった。
黒いカーペットの敷かれた、床。
立ちすくむ私を「何してるの？ 待たせないで」と急かし、肩を押した。
カーペットといっても下はフローリングだ。体を打てば痛みが走る。
「今日、誰と会ってた？」
「取引先の……すごく、大事な案件で…」
「僕より仕事を選ぶんだ。 …へぇ、そうか」
彼は私の仕事の内容について、しつこく執着して誰よりも理解している。
なのにどうして、こんな嫉妬みたいな醜い怒り方をするんだろう。
椅子に座り私を見下げていたヒラは、腰を折り私のおろしたてのスーツを脱がせ無造作に投げた。
白いブラウスをじっと見、目線を合わせる。
「わんちゃんは、ワンしか言えないんだよ。 これ、常識」
「私は犬じゃ…」
「犬でしょ。 犬だからこうやって床に這いつくばってるんだ」
「違う！」
大きく叫んでも、彼は眉一つ動かさない。
笑顔で、掌を差し出した。
「お手」
恐怖だけを感じさせるかのように、ヒラの声は、低く鈍く響き渡った。
愕然としたまま、でも素直に手を重ねたら、満足げに喉を鳴らす。
ヒラの瞳はどこまでも冷たかった。 それこそ、強情な私が逆らえない威圧感があった。
ヒラは掌で、こしゅり、と私の頬を撫でる。
親指を私の下唇に乗せた。体を固くし目を瞑れば、嘲笑するような笑い声が降ってくる。
「間抜けな顔だね。 キスでもすると思った？」
「…だって…」
「欲しいなら、努力しなきゃダメ。…わかったなら、ワンでしょ」
「……わ、ワン」
「うん。――――いい子だ」
大型犬を向かい入れるように、腕を広げたヒラ。 頬を胸板に預ける。
私、イヤなのに従ってる。 バカみたいにドキドキしてる――――――。
ヒラは私の頭を撫でた。 旋毛にキスを落とす。
あぁ、もういいんだわ。 彼に愛されるなら、犬でも構わない。
「……逃げないように」
胸から沸き起こるドロドロした感情。 怖くて、力の入らない足。
でも、心は拒否してない。
「私が逃げないように、
……首輪、して」
ヒラはにんまりと口角を上げた。
首に顔を埋め、薄い肉を吸い込んだ。
*
ドSヒラさんリクでした！
痛いのはイヤです・・・
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サラ - うおおおキヨさんんんん!!私のリクでしたか！ありがとうございます！もうすぐで完結しちゃうんですね…ちょっと悲しいです(´；ω；`) (2016年5月14日 22時) (
レス) id: 72c8aad68f (このIDを非表示/違反報告)
はちか(プロフ) - サラさん» もちろんそうです！！お待たせしました、すみません（；；） (2016年5月12日 23時) (レス) id: 7bd8392448 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - はちかさん» ふわぁぁもしかして私のリクでしょうか、優しく頭を撫でてくれって！例え違っても最高です！私頭撫でられるの大好きなので！続き待ってます！(*^-^*) (2016年5月7日 22時) (レス) id: 72c8aad68f (このIDを非表示/違反報告)
サラ - はちかさん» はい！待ってます♪(○´∀｀○) (2016年4月21日 21時) (レス) id: 72c8aad68f (このIDを非表示/違反報告)
はちか(プロフ) - ソース屋さん» はい！ぜひ！（＾O＾） (2016年4月11日 21時) (レス) id: 7bd8392448 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はちか | 作成日時：2014年11月21日 23時
