ゾッコン [チーム湯豆腐] ページ17
- towaco
*
そういえば、彼女の筆箱の中はシンプルなものだった。
なにをきっかけにそんなことを思ったのか、後ろからついてくるAを振り返り、「ここに入ろう」と言った。
子供用の服、シール、キャラクターのオモチャ。なかなかカオスな店内をぼんやりと眺め、筆記用具のコーナーで足を止める。
「なんか欲しいもんあるかぁ？」
「え、ないよ、そんなの」
「ええから、遠慮せんと買い」
「……どういう風の吹き回し…？」
疑心暗鬼の様子で、一歩前に出る。 もちろん物理的に光ってはいないのだが、地味なものを自分の拠り所とする彼女と並ぶと、筆記具でさえも明るく見える。
Aは黙ったまま、一本引き抜いた。
ヤギの頭がノック部分に乗っているボールペンだ。208円。税込。
「これ…」
ずい、と眼前に突き出され、暫くの間何のコメントも言えないでいた。
早く買っておくれよ〜！と俺をおちょくるようにヤギの頭がピョコピョコ揺れている。
「……趣味悪ッ」
考えていたことは音となり口から零れた。口元を掌で覆った時には時遅し。
むぅ、と少し怒ったように「いいじゃん」と胸にペンを押し付けられた。
価格はお買い得でよろしい！
でも、もうちょっとカワイイものを強請っても……ええんやで？
ボールペンを指でつまんでじっと見る。 腹立つ顔やわ〜、俺コイツキライ！などと心の中で毒づいてみる。
「いや、いいんやけど……決め手はなんなん？」
「〜〜…じゃん」
「は？」
「――似てるじゃん、とわこに」
数秒静止。 キュルキュルと巻き戻し。 再生。 巻き戻し。
「――――……えええええ！？！？ かっわい！！！！」
「うるさい！ だから言うのやなんじゃん！ うるさい！」
ぽかぽかと胸を叩かれる。Aの親指でつむじをぎゅううううと押した。
抱きしめて投げ倒してしまいたいがガマンだ。
「今日、寿司でも食べ行くか？」
「行かない。 いいから早く買ってきて」
やっぱ買うんや……。
一人でほくほくする俺の背中に、Aはおでこを重ねた。
アツいな、俺もお前も。
*
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サラ - うおおおキヨさんんんん!!私のリクでしたか！ありがとうございます！もうすぐで完結しちゃうんですね…ちょっと悲しいです(´；ω；`) (2016年5月14日 22時) (
レス) id: 72c8aad68f (このIDを非表示/違反報告)
はちか(プロフ) - サラさん» もちろんそうです！！お待たせしました、すみません（；；） (2016年5月12日 23時) (レス) id: 7bd8392448 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - はちかさん» ふわぁぁもしかして私のリクでしょうか、優しく頭を撫でてくれって！例え違っても最高です！私頭撫でられるの大好きなので！続き待ってます！(*^-^*) (2016年5月7日 22時) (レス) id: 72c8aad68f (このIDを非表示/違反報告)
サラ - はちかさん» はい！待ってます♪(○´∀｀○) (2016年4月21日 21時) (レス) id: 72c8aad68f (このIDを非表示/違反報告)
はちか(プロフ) - ソース屋さん» はい！ぜひ！（＾O＾） (2016年4月11日 21時) (レス) id: 7bd8392448 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はちか | 作成日時：2014年11月21日 23時
