恋の味 [MSSP] ページ15
- FB777
*
私の好きな人は、どこまでも優しい。
でもきっと、誰にでもそうなんだと思う。
「で、上手くいった？」
「え？」
「気づいてないんだろ？ Aの気持ちに」
「うん、まぁ……鈍いんだと思う。多分」
シュガーの入ったアイスコーヒーをカラリとストローで回し、私は私の“好きな人“の顔を見る。
――――……本当、全然気づいてくれないんだね、FB。
恨みたらたらな私の視線をふっと除けて、FBはハンバーガーにかぶりつく。
トマトの汁が鼻の頭に付いていてナプキンで拭ってやれば、「あ、ありがと」と笑った。
男の人に可愛いなんて感情を抱くのは、聊か失礼な話だと思う。
でも、彼は可愛い。
感情が高ぶると呂律のまわらなくなる舌も、照れ屋なところも。
「バレンタインデーなんだけどさ、」
私は言葉を切って、私の言葉の意図がなるべく読まれないようにそれとなく話を持ちかける。
「渡そうと思うんだ。 …えっとそのー…、本命チョコ」
「――…手作りとか？」
「そう。気に入ってくれるかな」
FBは食べ終えたハンバーガーの包み紙をクシャリと丸めた。
真剣に考えてくれている。 居住まいを正し、顎に手をやった。
「どう思う？」
―――…一番に知りたいのは、貴方の好みなんだけど。
少しの間考えに耽りぼうっとしていたFBはぷるりと首を振り、「喜ぶよ、きっと！」と嬉しそうに話し出す。
「俺はチョコあんまり―――…って俺の話じゃねぇか！ゴメン！
そうそう！チョコ渡したら喜ぶよ！」
「あ〜………ふふ、そうだねぇ、じゃあやめとく！」
「えぇ？！ なんで？！俺の助言役に立たなかった！？」
「違う違う、気が変わった」
ぱたぱたと手を振り乱し視線を泳がせるFBは、やっぱり心底可愛い。
「アドバイス有難う、場所変えようか。」 そう言って椅子から腰を上げた。
*
「……そう言えばさぁ、告白しねぇの？」
とっぷり日の暮れた帰路を歩いていたら、脈絡もなく尋ねられて驚いた。
「自信無いんだもん」
「そうか？ 俺はイケると思う」
「ムリだよ、お友達どまりで」
「叶わない？ …そんなもん？」
FBは至って真顔だった。
「好きなヤツに手も出せない俺よかマシだわな」
鋭い目つきに、喉が苦くて、痺れる。
格好つけてアイスコーヒーなんて、飲むんじゃなかった。
*
両片想い！？！？！？！難しい！？！？！？！とここまで更新が遅れました・・・ごめんなさい！
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サラ - うおおおキヨさんんんん!!私のリクでしたか！ありがとうございます！もうすぐで完結しちゃうんですね…ちょっと悲しいです(´；ω；`) (2016年5月14日 22時) (
レス) id: 72c8aad68f (このIDを非表示/違反報告)
はちか(プロフ) - サラさん» もちろんそうです！！お待たせしました、すみません（；；） (2016年5月12日 23時) (レス) id: 7bd8392448 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - はちかさん» ふわぁぁもしかして私のリクでしょうか、優しく頭を撫でてくれって！例え違っても最高です！私頭撫でられるの大好きなので！続き待ってます！(*^-^*) (2016年5月7日 22時) (レス) id: 72c8aad68f (このIDを非表示/違反報告)
サラ - はちかさん» はい！待ってます♪(○´∀｀○) (2016年4月21日 21時) (レス) id: 72c8aad68f (このIDを非表示/違反報告)
はちか(プロフ) - ソース屋さん» はい！ぜひ！（＾O＾） (2016年4月11日 21時) (レス) id: 7bd8392448 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はちか | 作成日時：2014年11月21日 23時
