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夏ツに参戦! ページ29

交際を始めてからの私たちは、特にこれと言って問題はなく順調なお付き合いをしていた。
葵君以外にはこの交際のことを秘密にしているため、会社ではこれまでとあまり変わることなく、千羅さんの部下として私はいる。


変わることがあるとすれば………会社では秘密の関係が成立した今、アイコンタクトで交わす会話が増えてきたことくらいだ。
そして、彼が少し険しい表情でパソコンと格闘していること。
何か私にもできることがあればいいんだけどな…。


「おっす、A。なーんか元気ないじゃん、どうしたの?」


背後から声をかけてきた同僚は、私が腰かける長椅子の隣に腰を下ろした。


「あぁ、葵君…千羅さんのあんな顔見たことないけど……大丈夫なのかな」


あの顔を見たら彼女としても部下としても心配になってくる。


「う〜ん、知らんけど千羅さんの同僚の先輩曰くこの季節になると毎年忙しいみたい。まぁお前にしかできんことで千羅さんをサポートしたらいんじゃね?」


そんなことを言いながらスマホを弄る葵君は、絶対に他人事だと思っているな。
もし彼が倒れたら、うちの部署大変なことになるんだぞ!


そんなことは露知らず、葵君はスマホの画面に表示された日付を確認して唐突にあっ!!と叫んだ。


「もう、隣でうるさい。何、どうしたの?」


「今日って夏ツの抽選結果発表じゃん!時間ももうすぐだしさ、休憩ついでに確認しようぜ」


私が緩い二次ヲタであること、センラさんを推しているのにも変わりがないが……。
センラさん、ごめんなさい……。今の今まで完っ全に忘れていました。
そう心の中で全力土下座をしてスマホを開き、待機状態を整える。


男女2人が並んで真剣な表情でスマホを見つめるシュールな絵面が完成していた。


「そこの同期のお二人さん、休憩中の今そんな熱心にスマホ見て何してはるん?」


その声にハッとして顔を上げると、ついさっきまで話題の種になっていた千羅さんがいた。
噂をすると人って来るもんなんだなぁ。


「あっ、えっと…今日浦島坂田船の夏ツの結果が分かるから、待機中なんd「A、時間になった!」本当!?せーので見よう?」


「「せーのっ!」」


……嘘…本当に?


「あ、葵?A?どないしたんか?」


「当たった…やばい、志麻君に愛に行ける。語彙力が吹き飛んでった…」


「千羅さんどうしましょう。推しに会えることになりました…」


こんな事ってありですか、神様?
ありがとうございますっ!

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kne(プロフ) - 感動しました。 続き楽しみです。 (2021年9月28日 20時) (レス) id: ee34aec55d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:奏斗 | 作成日時:2020年2月12日 17時

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