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何事かと思えば、その歓声を浴びた中心に美少年がいた。彼は、綺羅花の最新情報を伝える人だ、ということを琴葉が教えてくれた。
彼が、透き通る聞き心地の良い声を張り上げた。
「花魁道中！花魁道中！今日は《浦島坂田船》の4人衆だよ、王者のお出ましだ！」
その情報を聞きつけた人々が一気に大通りに押し寄せる。あぁ、災難続きの1日だ……。しかし、お兄さんが琴葉と私の手を引いてくれたおかげで、その人波も回避できた。
「ありがとうございます。」
お礼を言ったが、彼は気づかない。もしもし、と肩をつつくと、びくっとさせて此方を見た。考え事をしていたのかな。そう考えると途中で遮ってしまって申し訳ないな。私はもう一度、彼に感謝を伝えた。
「……礼には及ばないよ、こういう時は女性を庇うのが男ってもんだろ？」
いや、謎の男論述べられても知らんけど。とは思うだけで言わないことにしておいた。
ふと、私は辺りを見渡した。お兄さんに任せたら、いつの間にか通りを挟む最前列に来ちゃってるよ！えぇ、どうすんの！？琴葉のほうを見ると、
「こんな間近で見られるなんてラッキー♡」
あぁ、これは、もう目の前のこと以外眼中にないって表情だ。お兄さんは……ってまたブツブツ言ってる。それになんだか挙動不審みたい。
「大丈夫ですか？」
「えっ、あぁ、うん。ごめんね、心配かけて？どうかしたの？」
逆に問いかけられても……。せっかくの優しさを無駄にしたくない、と必死に思考を巡らせた結果、1つ気になっていたことがあったのを思い出した。
「王者ってどういうことですか？」
「それはね……」
彼の言葉は、女性陣の色めき立つ声によって遮られた。お兄さんも、私ではないどこかを見ている。何かすごく強いあこがれのようなものを感じるその目に映るのは＿＿。
端正な顔をした4人の花魁だった。
亜麻色の天使の輪を髪にこさえる緑色の瞳の彼は、両サイドを見やる流し目がその表情の美しさを際立たせていた。
藤色に光沢するポニーテールの紫の瞳の彼は、泣きボクロに着物の着こなし方と各方面に色気を垂れ流している。
林檎のように紅い髪に同色の瞳の彼は、終始笑顔で、まるで母性本能を擽られているような癒される心地になった。
菜の花よりも少し濃い色の髪に同じ色の瞳を持つ彼は、穏やかだけどどこかミステリアスな雰囲気をその身に纏っていた。
何でだろう。この4人を見ていると、耳と首筋に熱が回っていくのを感じた。
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奏斗(プロフ) - ハクトさん» コメントありがとうございます！頑張ります！これからもご愛読のほど宜しくお願いします！ (2020年1月9日 22時) (
レス) id: 71101c4384 (このIDを非表示/違反報告)
ハクト(プロフ) - コメント失礼します！とても面白いです！更新頑張って下さい、応援しています！ (2020年1月9日 21時) (レス) id: 9248964edc (このIDを非表示/違反報告)
奏斗(プロフ) - 名無し16825号さん» ありがとうございます！！そう言って頂けてとても嬉しいです！これからもご愛読のほど宜しくお願いします！ (2020年1月9日 18時) (レス) id: 71101c4384 (このIDを非表示/違反報告)
名無し16825号(プロフ) - コメント失礼します！好みにヒットしました！これから頑張ってください！ (2020年1月9日 17時) (レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏斗 | 作成日時：2019年12月31日 23時
