* ページ6
♡
学食に行くと、朝の話の続きを聞いてほしいと言わんばかりの表情をする琴葉に押し負け、話を聞いていた。
あれからまた情報を集めてたみたい。琴葉の行動力って恐るべし……。
「綺羅花には、男花魁を束ねる4人組がいて、その人達のことをお金で囲うことはできないけど、彼らを見初めることができる女性がいる、彼女のことを綺羅花では『睡蓮の姫君』って呼ばれて、その姫君の特徴が耳にあるホクロ、首筋に浮かぶ♡とのことだったの。だからこそ、その条件に当てはまった女性は、彼らの求愛から逃げることができずにめったに帰ってこられないんだって。さらに、すごいのは、その姫君になるのは1人だけ!」
ひとしきり話しても興奮を抑えきれない様子の琴葉。なんか嫌な予感がしてきた。胸のあたりがざわざわする。
……もしかして、いや、まさかね。
「せっかくのチャンスだから、やっぱり綺羅花に行ってみようと思うんだ!」
「うん……って、はぁ!?」
見事に、私の予感は的中した。私はたぶん呆れ顔をしているのだろう。
琴葉は、私を説得するかのように、まくしたて始めた。
「だって、イケメン花魁の逆ハーレムだよ!行かなきゃ損だって!」
「……中身クズかもしれないよ?」
私は、駄目もとで言ってみた。こんなに興奮している琴葉は言っても無駄なことは分かっている。分かっているけど心配なんだ。
そんな私の気持ちを察してか、琴葉はポツリと呟いた。
「心配してくれてるんだよね、ありがとうA。でも、自分の目で確かめてみないと気が済まないんだ。Aは、世界一の親友だよ。」
本当は、行けるところまで付いて行きたい。でも、好奇心旺盛な性格とは裏腹に、私の何かが付いて行く勇気を奪っていった。
「いい、琴葉?何かあったら言うんだよ!」
そう言うのが精いっぱいだった。しかし、誰も気付かないうちに私の体には異変が起きていた。そう、私自身も__。
659人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奏斗(プロフ) - ハクトさん» コメントありがとうございます!頑張ります!これからもご愛読のほど宜しくお願いします! (2020年1月9日 22時) (レス) id: 71101c4384 (このIDを非表示/違反報告)
ハクト(プロフ) - コメント失礼します!とても面白いです!更新頑張って下さい、応援しています! (2020年1月9日 21時) (レス) id: 9248964edc (このIDを非表示/違反報告)
奏斗(プロフ) - 名無し16825号さん» ありがとうございます!!そう言って頂けてとても嬉しいです!これからもご愛読のほど宜しくお願いします! (2020年1月9日 18時) (レス) id: 71101c4384 (このIDを非表示/違反報告)
名無し16825号(プロフ) - コメント失礼します!好みにヒットしました!これから頑張ってください! (2020年1月9日 17時) (レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:奏斗 | 作成日時:2019年12月31日 23時