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お母さんに言われ、自室で荷物を纏めていく。
「こんなもんかな。荷物って言っても、下着と勉強道具くらいなんだよね。教科書は受験に要るもの以外置いてるし」
独り言を言いながら、周りを見渡す。
漫画は持っていかないほうが良いよね、邪魔になるし、重いから。
一応、服は何着か持っていくか。
「あ、これも持っていこ！」
そう言って手に取ったのは写真の入った2つのフォトフレーム。
1つは家族写真。
幸せそうな笑顔を浮かべている高校の入学式の時のもの。
家族で撮った最後の写真。
そしてもう1つは、幼少期の写真。
私を囲む4人の男の子。
全員浴衣姿に林檎飴、ヨーヨー、綿菓子、扇子、狐のお面を持っていた。
髪の色が茶、紫、紅、黄と彩りがあった。
何か忘れてる気がするんだよね、まいっか。
キャリーケースに衣類を積めて、少し大きめのスポーツバッグに勉強道具と写真を容れて、部屋を出て階段を下りた。
皆のもとへと足を早める。
先程いたダイニングに入る手前で話し声が聞こえた。
そこまで距離があっても分かるくらいの近付きにくいオーラが漂っていた。
中に入っていけず、思わず入り口で盗み聞きするような形を取ることになった。
何話しているかはあんまり聞こえなかったけど、これだけははっきり聞こえてきた。
「俺は…俺達は、子供の頃奏斗と過ごした時からトップになる覚悟を固めました」
子供の頃…？
私達会ったことあるの？
「娘を連れて綺羅花に里帰りした時は、貴方達いつもAと一緒に居てくれたね、本当ありがとう」
お母さんの言葉に驚いて持っていた荷物を床に落としてしまった。
「え…何それ……どういうこと？」
私が発した消えるような声に皆ばつの悪そうな顔をしていた。
「A、こっち来なさい」
お母さんに促され、もといた席につく。
「黙っててごめんね、A。私は綺羅花で生まれ育ったの。そのまま睡蓮の姫君として扱われるようになった。そして、当時トップだったお父さんと結婚した。決められた定めとは言え、恋愛関係だったから嬉しかった」
私は何も言えず、俯いて黙って聞いているしか出来なかった。
「でもね、Aが生まれて暫くして1度だけお父さんと私が喧嘩して綺羅花に帰ったの。その時、此処にいる彼等が貴女といつも一緒に居てくれたの」
…私、皆との思い出覚えてなかったの？
どうして、忘れてたんだろう。
そしたら、お母さんはまだしも彼等までこんな顔させることは無かったのに。
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奏斗(プロフ) - ハクトさん» コメントありがとうございます！頑張ります！これからもご愛読のほど宜しくお願いします！ (2020年1月9日 22時) (
レス) id: 71101c4384 (このIDを非表示/違反報告)
ハクト(プロフ) - コメント失礼します！とても面白いです！更新頑張って下さい、応援しています！ (2020年1月9日 21時) (レス) id: 9248964edc (このIDを非表示/違反報告)
奏斗(プロフ) - 名無し16825号さん» ありがとうございます！！そう言って頂けてとても嬉しいです！これからもご愛読のほど宜しくお願いします！ (2020年1月9日 18時) (レス) id: 71101c4384 (このIDを非表示/違反報告)
名無し16825号(プロフ) - コメント失礼します！好みにヒットしました！これから頑張ってください！ (2020年1月9日 17時) (レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏斗 | 作成日時：2019年12月31日 23時
