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この後にアレが待っていると思うと、いつもは少し退屈に感じている授業もあっという間に思えた。
4限の授業終わりと昼休みの開始を知らせるチャイムが鳴った。
「琴葉、学食行かない？」
私の誘いに琴葉がのってくる。
「良いね、行こ行こ！」
そうして、私は琴葉と一緒に教室を出た。
昼休みということもあり、廊下は生徒の笑い声が絶えない。
ふと首に手をやった。
昨日志麻さんにつけられたキスマ、見えてないよね…。
いつもはあまり気にならない人の目がとても気になって落ち着かない。
万一、あの生徒指導の先生に見つかりでもしたら大変なことになる。
こんなに気を揉むのは初めてだ。
「A、どうしたん？」
「いや、何でもないよ」
琴葉は私の異変によくいち早く気が付く。
気の効く友人に恵まれたな。
「ならいいけど、やっぱさ購買でパン買って屋上行かない？」
外の風に当たりながらたまにはどう、なんて首を傾げる彼女。
「早いとこ行かなきゃ売り切れるね」
「そうと決まれば急ご！」
少しだけ小走りで購買へ赴き、メロンパンを買い、屋上へ行った。
屋上は運良く誰もいなくて、見上げると一面に蒼い空が拡がっていた。
もうじき夏が来る、そんなことを思わせるような暑さの中に吹く風が涼しくて心地いい。
「風気持ちいーね、琴葉っ！」
隣の親友に声を掛けると、彼女は少し心配そうに私を見つめた。
「学食だと色んな人の目もあるから少し話しにくいかな、なんて思って屋上にしたんだけど、昨日あれから大丈夫だった？」
爽やかな風に吹かれたいみたいなことを言っていたことが、実は私への気遣いだったことに、彼女のさりげない優しさが滲んでいた。
琴葉は昨日の花魁道中以来、何も言えずにいた。
正確に言うと、話す機会を失ってしまった、だけど。
「大丈夫だったよ、多分」
「多分って…他人事か！」
琴葉のノリのいいツッコミが返ってくる。
「何でも言いなよ、出来ることは限られてくるかもしんないけどさ、Aが大好きだから協力したい」
内緒なんて水臭い真似しないでよね、なんて照れ笑いを浮かべる琴葉。
彼女が紡ぎ出すその言葉がどれ程私を救ったことか。
「ありがとう、じゃあ…聞いてくれる？」
勿論、とでも言わんばかりに頷く琴葉。
琴葉には知って貰いたい。
一番の友人だから。
だからこそ、早くに、今言うべきだ。
私は意を決して、昨日起きたこと、そしてこれからのことの一切を打ち明けることにした。
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奏斗(プロフ) - ハクトさん» コメントありがとうございます！頑張ります！これからもご愛読のほど宜しくお願いします！ (2020年1月9日 22時) (
レス) id: 71101c4384 (このIDを非表示/違反報告)
ハクト(プロフ) - コメント失礼します！とても面白いです！更新頑張って下さい、応援しています！ (2020年1月9日 21時) (レス) id: 9248964edc (このIDを非表示/違反報告)
奏斗(プロフ) - 名無し16825号さん» ありがとうございます！！そう言って頂けてとても嬉しいです！これからもご愛読のほど宜しくお願いします！ (2020年1月9日 18時) (レス) id: 71101c4384 (このIDを非表示/違反報告)
名無し16825号(プロフ) - コメント失礼します！好みにヒットしました！これから頑張ってください！ (2020年1月9日 17時) (レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏斗 | 作成日時：2019年12月31日 23時
