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志麻side
うらたさん、と顔を紅く染めながら俺の質問に答えたAは、俺の腕の中にいる。
「あっ、暫く言わない方がいいかもって内緒にしようと思ってたばっかなのに…」
なんて呟く彼女は自らの両手で顔を隠した。
「いつや、いつされたんか?」
俺の顔は今きっとどうしようもなく、ひきつっている。こんな顔見せたない。
俺の方を見ようとしてくるAの頭を自身の身体に押し付ける。
「え、と、さかたんが来る前、私が悪夢見て魘されてたのを起こしてくれて、その時に……。」
「は!?寝込み襲ったん!!?」
思わず声を荒らげてしまった。うわぁ、俺かっこ悪、こんな嫉妬露にするとか……。
俺の背中に2本の腕が伸びてきた。それらは迷いながらも俺を優しく包み込んだ。
「違いますよ、肩を揺さぶられて起こされたんです。」
先程とは全く違う声色で俺に語りかけるA。
まるで赤子をあやすかのように背中を撫でる彼女は、18歳というのに大人の女性の風貌を匂わせる。
こんな行動を取るとは全く夢にも思っていなかったために再び心音が速く脈打つ。
けど、それはAも同じだった。密着している彼女の程よい大きさであろう胸から伝わる鼓動は俺と同じように鳴っていた。
「初めてのキスがうらさんなら、俺はこの初めて貰うな?」
そう言って彼女の身体を自身から離すと片手で彼女の目元を隠す。
「ちょ……何で目隠しするんですか?」
「見えへん方が何されるか分からんスリルあって興奮も増すやろ?」
俺は空いている手でAの顔に掛からんとする柔らかな髪をかきやり、その項に口付ける。
「あっ……いっ……んぅ。」
Aは始めこそ痛がる素振りを見せたが、声から徐々に快楽に飲まれていく様子が窺えた。
軽く噛んだり舌を使ったりしながら彼女の白い肌を吸う。
リップ音をたて、口を離すと色白な肌に真っ赤な花弁が浮き上がっていた。
少し場所をずらして二度三度と花弁を散らす。
その度に彼女は艶やかな声を漏らした。
Aの項に現れた華はさながら薔薇の花弁にも見えて、美しさが際立った。
「ん。キスマしっかりついたわ。綺麗な華が咲いたな……ご馳走様、A。」
「はぁ……はぁ……。」
息をするのもやっとな彼女の乱れた髪を整えようとすると、「お前は俺のもの」と言わんばかりに髪の間から首筋の花弁たちが艶々しく顔を覗かせる。
俺は恍惚とした表情の彼女を見て幸福と優越感に溺れた。
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奏斗(プロフ) - ハクトさん» コメントありがとうございます!頑張ります!これからもご愛読のほど宜しくお願いします! (2020年1月9日 22時) (レス) id: 71101c4384 (このIDを非表示/違反報告)
ハクト(プロフ) - コメント失礼します!とても面白いです!更新頑張って下さい、応援しています! (2020年1月9日 21時) (レス) id: 9248964edc (このIDを非表示/違反報告)
奏斗(プロフ) - 名無し16825号さん» ありがとうございます!!そう言って頂けてとても嬉しいです!これからもご愛読のほど宜しくお願いします! (2020年1月9日 18時) (レス) id: 71101c4384 (このIDを非表示/違反報告)
名無し16825号(プロフ) - コメント失礼します!好みにヒットしました!これから頑張ってください! (2020年1月9日 17時) (レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏斗 | 作成日時:2019年12月31日 23時