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声のしたほうを見ると、そこには、初対面の人でもわかるほど、不機嫌なうらたさんがいた。
その後から、坂田さん、センラさんがやってきた。
「あー!!まーしぃ、狡い!俺も混ざる!」
「いや、さかたん、そんなこと言うてると……ほら〜うらさんに睨まれてしもた〜」
そう言ってセンラさんは、此方に駆けてきそうだった坂田さんを制止する。
しゃらん、と紅髪に映える髪飾りが音をたてる。
「ちっ、いいところだったのに。」
志麻さんは舌打ちをして、私から離れる。
今まであった温もりが無くなって、少し淋しい。
って、なに思ってんの、A!
「じゃあ、全員揃ったことだし自己紹介とか今後のこととか話すか。」
うらたさんは、ぱん、と手を叩き皆の注目をかっ拐う。
「何話す!?」
坂田さんが食い気味に発言する。
こういう所、何か弟みたいっていうか犬みたいっていうか……可愛いなって思える。
「名前と呼び方、一言だけは言っといた方がええんとちゃいます?」
センラさんがそう提案し、皆納得したみたいだった。
「じゃ俺から。俺はうらた。呼び方は適当に。いつでも頼れよ。」
「俺は志麻。志麻さんでも志麻くんでも良いで。さっきはめっちゃ可愛かったで。」
志麻さんの言葉で再び私の身体に熱が集まる。
「俺、坂田!さかたんって呼んでな。たくさん笑おうな!」
「俺はセンラっていいます。呼び方はどうでも良いですよ。何でも言ってくださいね。」
……あ、次私だ。えー何言おう。
私は、考えながら言葉を紡いでいく。
「私は、花守Aです。Aって呼んで下さい。これからよろしくお願いします。」
私が自己紹介を終えると、
「「「「よろしく、A。」」」」
と、見事に4人がハモったので、思わず声を上げて笑ってしまった。
私につられて、皆も笑い出す。
__和気藹々とした雰囲気、彼らと過ごす毎日はとても楽しいんだろうな。でも……
私が心に暗い影を落とした頃、うらたさんが再び仕切り始める。
「あと2人、紹介したい奴がいるんだけど……あ、来た来た。」
うらたさんは、私の方を見て手招きする。
後ろを振りかえると、先程花魁道中のアナウンスをしていた人ともう一人男性がいた。
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奏斗(プロフ) - ハクトさん» コメントありがとうございます!頑張ります!これからもご愛読のほど宜しくお願いします! (2020年1月9日 22時) (レス) id: 71101c4384 (このIDを非表示/違反報告)
ハクト(プロフ) - コメント失礼します!とても面白いです!更新頑張って下さい、応援しています! (2020年1月9日 21時) (レス) id: 9248964edc (このIDを非表示/違反報告)
奏斗(プロフ) - 名無し16825号さん» ありがとうございます!!そう言って頂けてとても嬉しいです!これからもご愛読のほど宜しくお願いします! (2020年1月9日 18時) (レス) id: 71101c4384 (このIDを非表示/違反報告)
名無し16825号(プロフ) - コメント失礼します!好みにヒットしました!これから頑張ってください! (2020年1月9日 17時) (レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏斗 | 作成日時:2019年12月31日 23時