【APヘタリア】夕暮れの街角で【米】

episode.8 貴方の名前 ページ8

夕焼けに照らされた美しい彼に、目が離せなかった。






HERO「……ｺﾞﾎﾝｯ……そ、そんなに見ないでくれよ」




照れている。

見られることより恥ずかしい事をした彼が。






HERO「じゃあね！」





そう背中を向けた彼。




こんなに良くしてくれて、アメリカに来て初めて出会った人









ここでサヨナラしていいの……？








これで終わり？









そんなの









嫌だ








A「まっ、待ってください！」







HERO「なんだい？」




彼は止まってくれた。でも、振り返りはしない。








A「名前を……。貴方の名前を！教えてください！！」







人の名前を知るのが




こんなにドキドキするものなのだろうか。









HERO「HEROに本当の名前を聞くなんて、君どれだけの事かわかってるのかい？」





背を向けたまま、彼は言う。


でも顔を見なくてもわかる。いたずらっ子の顔をしている。




そんな口調だ。







A「貴方に、また……出会いたいから。……名前だけでも、教えてください！！」







ずっと背を向けていた彼が、こちらを向く






夕日がとても暑い。







ドキドキしている。





太陽の熱なのか自分の熱なのか分からない。





体が沸騰しそうだ。






HERO「……アルフレッド！俺の名前は、アルフレッド・F・ジョーンズさ！！」





とびっきりの笑顔でそう答えてくれた。





A「…アルフレッド…さん」


確認するように、つぶやいた。








彼は背を向けて曲がり角へ向かう、あの街中へ。









HERO「いい生活をね！」






手を上げてそういった彼は、人混みへ消えた。

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