【APヘタリア】夕暮れの街角で【米】

episode.17 俺の欲望(アルフレッドside) ページ19

また彼女の手を取り、メールにある住所を教えてもらった。



歩いていると、彼女が



A「あのですね大変恐縮なのですが、お手を、その、お手を繋ぐのが初めてなので、あの、離して、いただ…けた…らと……思いまして…」


と、言い出した。



俺「…手？HAHAHA！！面白いなあ全く君は！ピュアなんだね！…だけどそのお願いは聞けないな☆」



A「…ど、どうしてです？」

あぁ、困り顔もキュートなんだぞ…




俺「また君が悪い狼に連れていかれないように手を繋いでおかないとね！」

俺みたいな……ね。




……何言ってんだw



俺「さ、もうすぐ着くよー！ここを曲がった所さ！」



彼女の探していた家はとても立派な造りだった。




彼女自身もびっくりしてて目がまるまるになってたんだぞ。





A「本当に本当にありがとうございます。それで、お礼はどうすれば？」



俺「…あっ、…」


考えてなかった。




俺「うーん…そうだなあ。……！そうだ！」




ひとつ、浮かんだ。


けどこれはただの俺の欲望。


……いいよね、あ、あ、挨拶だし。うん。


A「なんなりと！」


キラキラとした目で、俺を見る。



ああ、すまない、君は数時間前に会っただけの俺を嫌うだろうか。


いや、もう会うこともない。







もうお別れなんだ、俺の欲望……


叶えさせてくれよ




ﾁｭｯ




俺「……これでいいんだぞ☆」



ドクドクドクとうるさく胸が鳴る



別に初めてでもないのに、


ああ、沈まれ



沈まれ。



終わりなんだぞ、この子とはｯ……





A「……い、いいい、いいいい今！今！ほ、ほほほ、頬に……！」


慌ててる……そりゃそうか。



俺「ん？口の方が良かったかい？」



そう、茶化すように言う。茶化す以外にどう反応すれば良かったのか、分からない。




うまく、頭が働かない。

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