公安さんと差別姉妹の妹さん

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神崎さんの話によると、奥さんは出ていくと言ったり、家にいたいと言ったりと手のつけられない状態だそうだ。
この前は包丁を持ってちょっと死んでくると言って家から出ていこうとしたとか。

最近は毎晩毎晩発狂するらしい。

『神崎さん。大変ですね。』

「そうですね。愛する人から何度も裏切られるのはとても辛いことですからね」

私は人を愛したことがない。愛されていると感じたことも無い。
姉のためならなんだって頑張れた。それが"普通"だったから。

神崎さんからよく聞かれていた。自分の妻の怒り方は"普通"じゃないのかと。
話を聞けば神崎さんの奥さんは、ヒステリックに怒鳴り散らして周りの声が聞こえなくなる。
思い込みも激しくものに当たるらしい。
本棚の本やその上のフィギュアなんかを全部落としたり投げたりするらしい。

これはきっと"普通"じゃないと、神崎さんは言った。
昔、小学校の本かなにかで日本人は"普通"が大好きだと見たことがある。

周りから見れば異常なことを自分からすれば普通に感じているんだ。

普通なんて存在しない。

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