7話 ページ9
Aside
翌朝。私は強制起床アラームを止めて起き上がった。いつもはもう少しうだうだ転がってから起き上がるのだが、今日は特別だ。まだ眠気の残る頭を動かしながらウィンドウを開き、装備フィギュアを操作。いつも通りの武装に身を包み、銀色のマントを被って顔を隠す。
代表としてなるせさんにフレンドメッセージを送って宿を出ること、昨日は本当に助かった、お礼は必ず今度する、ということを伝えておいた。
フロントにいるNPCに会釈してから宿屋を出て転移門へと向かう。向かうはアルゲード。あの、規格外に強くてでも天然で優しい、飄々とした憎めない男の元へ。
夢「転移、アルゲード」
目の前を青い光が包み込む。一瞬、黄色の糸が見えた気がした。
夢「キリト…またホームが汚くなった？」
キ「久しぶりに会ったと思えば開口一番にそれかよ…」
ここはアルゲード、キリトのプレイヤーホーム。久しぶりに上がり込んだそこは前より汚くなっているような…
やれやれ、といったふうに頭を振っているキリトを後目にそこにあった椅子に座る。遠慮も何も無い私の態度に彼は呆れた目をしていた。
キ「俺が進めないのも悪いんだけどさ…」
夢「そう、キリトが悪い。私は何もしてないでしょ」
つん、と顔を背けてやればキリトは困ったような顔で苦笑する。そんないつもの様子に少し落ち着いたあと、私は姿勢を正してキリトを見据えた。そんな私の態度に気づいたのか、彼も表情を引きしめてこちらを見る。
夢「昨日、最前線である人達に会った。白髪や金髪とか派手な髪でまふまふやそらるって言うプレイヤーネームの人たち。キリトは知ってる？」
そう問えば、キリトは呆れたようにこちらを向く。今日で何回目だ、その顔は…
キ「お前なぁ…最近よくボス戦にも来てるプレイヤーじゃないか？俺でも覚えてるぞ」
そうなのか、初めて知った。まぁ、最前線にいる時点でそうだろうとは思っていたが、顔は知らなかったし。悶々と考え込む私をキリトはじろりと見る。それからまた表情を引き締めた。
キ「それで、そいつらがどうした？」
夢「その中の1人…ひとりじゃないかもしれないけれど。何か警戒されているみたい。誰かは分からない」
私がそう告げれば、キリトは驚いたようにこちらを向く。深く下げたフードを見るような目付きに、私は思わずフードの中で顔を伏せた。
キ「…そうか、俺もそいつらに関しては詳しく知らない。アルゴに頼んでみたらどうだ？」
キリトがそう言った。
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←6話
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るか - 更新待ってます…！ (1月14日 20時) (
レス) id: 801caab291 (このIDを非表示/違反報告)
緋乃明日香(プロフ) - ひなたさん» ありがとうございます！初めてのコメント嬉しいです…！拙い文章ですがこれからも読んで頂けたら嬉しいです！ (2021年4月28日 8時) (レス) id: 942417641d (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - コメ失礼します！私、ソードアートオンラインも歌い手も好きなので楽しく拝見させていただいております！！応援してます！ (2021年4月27日 22時) (レス) id: 05e04b1059 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：緋乃明日香 | 作成日時：2021年4月23日 11時
