第65話 ページ22
その日の夜、私は謎めいた夢を見た。
ある本丸が見えていた。ごく普通の、本丸が。
｢なー、主ってどんな顔してるんだ？｣
確か、獅子王が言った。
｢主さんはねー、すごく綺麗な人だよ。
な、太鼓鐘！｣
｢おう！背は低めで、いっつも泣いてるよなー｣
｢俺達の世界にはいないから、主さんの涙拭いてあげたり相談乗ってあげたりしたいけど、無理だよねー…｣
｢でも、お前は主が〜〜〜〜〜〜なんだろ？｣
｢っ、獅子王さん！｣
映し出されているのは、極めた太鼓鐘くんと浦島くんだった。
私の元本丸も、2人は極めてたっけ。
季節が変わって、秋の景趣。
｢帰ってきましたよ、主君｣
確か、平野が修行から帰ってきたんだと思う。
平野は、誰もいない場所に向かって立ち膝をついて思い出話を話していた。
｢〜〜〜という事がありました！これからもお付きの仕事ならお任せ下さい！｣
『ありがとう、平野。すごく頼もしくなって帰ってきたねえ』
･･････私の、声がした。
その声に平野は嬉しそうに頬を緩めた。
そこで、悟った。
ここは、内側の私の本丸だって。
画面からじゃあ見えない、内側の本丸。
平野が帰ってきた時、確か景趣は秋だった。
それから、冬の景趣になって…たぬたぬが、修行に出る。
｢んじゃ、行ってくるぜ。主｣
そう言って、たぬたぬは部屋を出た。
また、景趣が変わって春。
私の泣き声と、浦島くんのいつものボイスが聞こえた。
『もう…辛いよ……っ！なんで…なんで、私は……！！！』
内側の本丸では、浦島くんは唇を噛んで涙目になっていた。
ずっと、言ってくれた。
｢主さんは、俺達の自慢の主だ！！｣
｢ずっと俺が守って…！｣
｢大丈夫、大丈夫。俺がいつでもそばにいるから。虎徹は強いんだ！主さんが悲しんでたら、いつでも辛いものを払ってあげる。主さんが辛いんだったら、いつでも和らげてあげる。
主さん、〜〜〜〜〜〜だよ｣
ああ、こんなにも。
こんなにも、私のことを思ってくれていた。
ありがとうじゃ伝わりきらない。
次は景色が変わって戦場。
まだ弱い時だろうか、戦場は博多湾。
『みかつきやっちゃえー！！！』
｢これでどうだ？｣
『あっ、これはみかつきが誉でしょー！』
｢はっはっはっ｣
『わ、ほんとに誉だ…おめでとう、みかつき！』
｢三日月ずる！次は俺が誉とるから！｣
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅蓮 - 向こうの本丸、ハッピーエンドになるといいな〜。続きがすっごく気になります!!更新頑張ってください!!!すっごく楽しみにしています!! (2020年6月7日 12時) (
レス) id: a938136fc3 (このIDを非表示/違反報告)
アニオタちゃん - この作品好きです！更新頑張ってください( ・∇・) (2020年1月1日 19時) (レス) id: 8da926b67e (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - 向こうの刀剣達が報われますように〜！ (2019年6月3日 20時) (レス) id: effd3f797e (このIDを非表示/違反報告)
奏琉斗 哀 - 刀剣乱舞初心者ですさん» ありがとうございます。そういうコメントを貰えるのは作者としてとても嬉しいです。更新、なるべく早めにしますね。 (2019年1月7日 9時) (レス) id: a8c26a67af (このIDを非表示/違反報告)
刀剣乱舞初心者です - とてもお気に入りの作品です…！今後が、気になります… (2019年1月6日 23時) (レス) id: c2cb9b617d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年12月16日 20時
