いじめ(リク🙇♀️) ページ8
「…もうさ、死ねば？」
そうやって冷たく言われたあの声を、
俺は忘れられない。
重りが俺の足を引っ張ってるみたいに、その場から暫く動くことが出来なかったーーー。
- - - - - - - - - - - - - -
事の発端は、多分3ヶ月前のこと。
俺はマイペースだから、準備もゆったり、ご飯もゆったりな事が多い。だからその日も、レッスン疲れたね〜なんて言ってゆっくりゆったり準備をしていたら、いつの間にか楽屋に残っているのは自分だけだった。
みんな早いのね、なんて思いながらいそいそと準備していると、不意にドアが開いて、ディレクターさんが入ってきた。
このディレクターさんは結構歴の長い人で、色んな撮影場所でもよく顔を合わせていたし、メンバーからの好感度も高い人だったから。
吃驚はしたけれど、何か粗相でもおこしてしまったかな、と思ってディレクターさんの次の一言を待った。
「…北斗くん、だよね。あのさ、ちょっと話あるから準備室来てもらっていい？」
半分笑いを含んだような声でそう言われて、内心ビクビクしながらも、素直に説教を食らおうと思い、ディレクターさんについて行った。
けれど、準備室でされたことは少し説教とは違うもので。
「見ていて不快」
だとか、
「余計な一言多いし、それが空気を凍らせてるって分かんないの？」
だとか、
「正直言ってうざいしきもいんだよ、」だとか。
説教というよりは、ただただ悪口を言われている状況でしかなくて、純粋に悲しかった。
でも、「消えろ」「うざい」だなんて言われても、
まだ脳が状況を把握できていない。
だってこの人は、ベテランで、メンバーからの信頼もあって、そこそこ仕事場でも立場のある人だから。
今まであまり喋ったことの無い俺に、なんで。
なんでこんなに、悪口を言っているのだろうか。
最近は沢山の仕事量で疲れていたのもあって、全然頭が動かないし、言い返す言葉も出てこなかった。
何だか気持ち悪くなってきて、思わず目をぎゅっと瞑る。
何もいいかえさない俺に痺れを切らしたのか、下に置いてあったダンボールを乱暴に蹴って、そのディレクターさんは準備室から出ていった。
俺はその場にへなへな…と膝から倒れ落ちて、まだばくばく鳴っている自分の心臓に手を置く。
なんだ、なんだったんだ、今のは。
そんなことを思いながら、ディレクターさんが出ていった部屋を、暫く見つめていた。
✎︎＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 385人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「松村北斗」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんご - お返事ありがとうございます！たのしみにしています！！ (2022年12月3日 20時) (
レス) id: 71f21611c1 (このIDを非表示/違反報告)
花山院(プロフ) - Stnz6さん» リクエストありがとうございます〜！時間がかかってしまうとは思いますが、書かせて頂きたいです！ (2022年11月19日 21時) (レス) id: c879b1ff5c (このIDを非表示/違反報告)
花山院(プロフ) - りんごさん» はじめまして、リクエストありがとうございます！このお話が書き終わったら書かせて頂きたいと思います！ (2022年11月19日 21時) (レス) id: c879b1ff5c (このIDを非表示/違反報告)
Stnz6(プロフ) - リクエスト失礼します！北斗くんと他のメンバーで喧嘩をして距離が出来てしまう話が見たいです！ (2022年11月19日 19時) (レス) @page10 id: f6536825bb (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして！リクエストで、京本くんがドラマ撮影中に風邪をひいちゃって無理をする中メンバーが看病してくれる、みたいなお話が読みたいです！ (2022年11月18日 12時) (レス) id: 71f21611c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花山院 | 作成日時：2022年8月4日 12時
