▷▶▷ ページ18
「大丈夫、こいつのことは俺たちに任せて。
…北斗を頼んだよ、高地。」
そう言ってジェシーはマネージャーと高地を病院へと見送った。北斗が起きても寂しくないようにね、と笑って。
それから、高地はかなり強めにお腹を殴られていたから、樹が病院の先生に電話して、手当してもらう手配も完璧である。
「…ジェシーってなんか、流石だよね」
噛み締めるように言った京本の言葉に、強く賛同する。
ジェシーは特有の笑い声でHAHAHAと笑うと、穏やかに言った。
「そんなことなぁいよ。長年そばに居るんだもん、必要な言葉も行動も、全部俺たちは知ってるでしょ。」
ジェシーの言葉に、思わず樹と京本と俺で
「…かっくいぃー…」と声を揃えて感嘆した。
それから樹が「あ、」と声を出した。
「…滝沢さんと連絡ついたよ。
こいつはもうこの業界に居られないね」
「俺たちのメンバーに手を出したらどういうことになるか、…分からせてやる」
と京本がぎらりと笑った。
それからこのディレクターは業界からは永遠追放されて、警察に捕まった。正直めちゃくちゃ高地が殴りまくってたからヒヤヒヤしてたし、顔のたんこぶやらを見て警察の方も驚いた顔をしていたけど、何も言われなかった。
京本が遠くを見つめながら言った。
「…これで北斗が少しでも安心できたら…」
苦しい思いをした北斗が、心の底から笑えるように。
樹は色んな思いが詰まった顔をして言った。
「俺たち、みんな仲間でしょ。大丈夫、北斗ならきっと」
✎︎＿＿＿＿
北斗side
痛む頭に、 ぼんやりと意識が浮上した。
…あれ、俺生きてるんだ…。
死ねなかったんだ。
そう思ったら、どうしようも無い不安にかられてぼんやりと視界が歪んだ。
病室には誰もいなくて、怖くて辛くて。
ディレクターさんの顔が、離れない。
そんな時だった。
病室のドアがすごい勢いであいて、涙目の高地が入ってきた。それから俺の右手を両手で包んで、大きく深呼吸をした。
「…こ…ち、」
「…ほくと、ごめんな、きづいてやれなくて、…っずっと苦しかったよな。1人で頑張ったよな」
その言葉で、多分事の経緯は全部バレたんだろうなって思った。…でも、もっと責められると思ったのに。
「…北斗が頑張って生きててくれて、良かった…。」
そうやって高地が泣くから、思わずぐしゃっと顔が歪んだ。
なんかもう、その言葉だけで生きていける気がした。
その言葉で、愛されてるってことが分かったから。
「…っありがとう…こうち………」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 385人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「松村北斗」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんご - お返事ありがとうございます！たのしみにしています！！ (2022年12月3日 20時) (
レス) id: 71f21611c1 (このIDを非表示/違反報告)
花山院(プロフ) - Stnz6さん» リクエストありがとうございます〜！時間がかかってしまうとは思いますが、書かせて頂きたいです！ (2022年11月19日 21時) (レス) id: c879b1ff5c (このIDを非表示/違反報告)
花山院(プロフ) - りんごさん» はじめまして、リクエストありがとうございます！このお話が書き終わったら書かせて頂きたいと思います！ (2022年11月19日 21時) (レス) id: c879b1ff5c (このIDを非表示/違反報告)
Stnz6(プロフ) - リクエスト失礼します！北斗くんと他のメンバーで喧嘩をして距離が出来てしまう話が見たいです！ (2022年11月19日 19時) (レス) @page10 id: f6536825bb (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして！リクエストで、京本くんがドラマ撮影中に風邪をひいちゃって無理をする中メンバーが看病してくれる、みたいなお話が読みたいです！ (2022年11月18日 12時) (レス) id: 71f21611c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花山院 | 作成日時：2022年8月4日 12時
