31 ページ32
あなたside
こーち先輩と一緒に再び体育館へ戻る。
するとそこには、仕事をするでもなくスコアをつけるでもなく、選手たちににキャーキャー言っているだけのほかのマネージャーさんたち。
「…むぅ、やっぱ今年もかぁ」
困った顔で口をとがらせるこーち先輩は、とてもあざとい。
「今年もって？」
「んー、？まぁ、こんなことAちゃんに言うのもあれなんだけどさ…」
そう切り出しながらこーち先輩が話してくれた内容は、まるで少女漫画のような話で。
簡単にまとめてしまえば、とにかくモテる人が集まるバスケ部には、マネージャーはたくさんは居るけどその大半は部員目当てだから仕事をしない。
だから、私や優佳のような仕事をきちんとしてくれる人は貴重らしい。
「ほんと、ありがとねぇいつも」
「そんなそんな」
いつの間にか隣で話を一緒に聞いていた優佳が答える。
そのとき、
「こーーーちぃーーー！！！」
こーち先輩を呼ぶ、バカでかい、とんでもなくうるさい声が聞こえた。
こんな声を出すのは、そしてこーち先輩をこんなふうに呼ぶのはもちろん1人だけである。
「こーちこーちこーち！！ねえ戻ってくるの遅いよ！」
「うるせぇな…」
こーち先輩に飛びつくジェシーと、自分よりも大きな体を苦笑いしながら受け止めるこーち先輩。
「相変わらず、ジェシーの愛重いのね」
「…大型犬」
「ぶっっ！！！」
隣で優佳がそんなことを呟くから、思わず吹き出す。
軽く睨むと、全く悪びれる様子もなくニヤニヤしているのだった。
ジェシーは、私たちと同じ学年で、隣のクラス。
アメリカとのハーフで、とにかく声がでかい。
慎太郎くんに負けない大きさ。
なんか距離も近いし、、
「俺ジェシー、よろしくね！」
「ジェシーくん」
「heheッ、違うよ、ジェシー！」
「ん、え？ジェシーくん」
「んだぁ！ジェシーって呼んでよ！くんいらないの！」
なんて、出会って1番に駄々をこねられたので呼び捨てである。
なにやらこーち先輩とは以前からの知り合いらしく、よく飛びついては叱られている。
ちなみに、慎太郎くんや松村くんとも中学からの友達らしくて、それもあってすぐに仲良くなった。
「ほらジェシー、練習戻るよ。ありがとねAちゃんと優佳ちゃん」
「いえ。私達も戻りますね」
「じゃあねA！」
「おい私は？？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 993人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
湊 - うっ…！きゅんきゅんする上になんかギャグ小説っぽくて面白いです！更新は作者さんのペースで頑張ってくださいねー！ (2021年7月11日 21時) (
レス) id: ee38c723d2 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - あさん、コメントありがとうございます。どこのことか教えていただけないでしょうか？ (2020年11月10日 7時) (レス) id: 8cb59abab6 (このIDを非表示/違反報告)
あ - （名前）じゃないと名前変換されないですよ（ ; ; ） (2020年11月9日 22時) (レス) id: 7685fc0708 (このIDを非表示/違反報告)
mamaの味 - はじめまして！唐突ですが主さんの作品好きです！！これからも更新頑張ってください (2020年11月9日 21時) (レス) id: 2fd05b4927 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花 | 作成日時：2020年10月31日 23時
