Unrequited Love (ページ20)

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20. 意地悪なのに優しい親？ページ20

｢まぁ私のお姉ちゃん、仕事できる人なんでー。｣

本当に帰ろうと思って倒れてた鞄を拾って。

お姉ちゃんには外に出たら連絡しよ。
これ以上長居して櫻井さんに迷惑かけられない。

翔｢送ってやりたいけど彼氏期限切れるのでー｣

｢期限切れじゃなくてフツーに運転できないでしょ！近いから歩いて帰るから大丈夫｣

じゃあって言おうと振り返ると手首をグッと掴まれて。

翔｢あなたねぇ、一応女子なわけ。｣

｢一応って！失礼な！｣

翔｢ハイハイ、だからせめてタクシーで帰りなさい｣

お金もったいないでしょ！って叫ぶ前にタクシー会社に電話しちゃってるし。

こんな心配性じゃ…将来の彼女さんは大変そう。

でもこれじゃ、彼氏っていうより

｢……過保護な親？｣

そう小さく呟いたはずなのに、電話を終えた櫻井さんからとびっきり痛いデコピンをくらう。

｢ったぁ～｣

翔｢これじゃねーちゃんも大変そうだわ｣

デコピンの衝撃で落とした鞄を拾ってスタスタ玄関まで行った櫻井さんの後をついてく。

｢お姉ちゃんは心優しき人なので櫻井さんみたいに文句言わないですー｣

翔｢それが助けてくれた恩人に言う言葉かー？｣

｢ごめんなさーい｣

行きのエレベーターとは全く違う。
私の心、すっごい軽くなった。