ピカレスクロマン ―転―【ガスパー】 ページ8
「待たせたね。あの人はしばらく駄目みたいだ、すっかり君の生態に夢中になってる。こうなると梃子でも動かないから、私達で先に食べてしまおうか」
葛藤していたら人間が戻ってきてしまった。しかしこれで皿ごとリョウリを呑んでしまう必要はない。怪物は喜び勇んで人間に促されるまま椅子に座した。人間というのは道具を用いるのが上手い。ここ数時間で育ち始めた好奇心が絶妙に擽られている。なかなかどうして良い気分だ。
「さあ、どうぞ召し上がれ。口に合うといいけれど」
「よしきた！」
人間が食卓を前に手を合わせるのと、怪物が目の前の皿を空にするのはほぼほぼ同時だった。何か言いかけた人間は『いた』まで口にしたはいいが、それきりそのままの表情でこちらを見ている。心なしか目もぽかりと開かれているような。先程は証拠隠滅を兼ねて皿ごと食らうつもりだったが、今やその必要もないので盛られたリョウリだけを飲んだ。経緯はともかくそれが故の顔だろう。
粘体の中で浚ったリョウリを溶かしながら、怪物は残された皿を一瞥し、また人間へと視線を移す。そういえば湖で魚を食べているところを見せた時も、今とは程度が異なるものの似たような顔をしていた。だからだろうか、人間はまた口角を上げて半月を形取る。天井の照明のお陰か、その表情はより鮮明に見てとれた。
「美味しい？」
「うん、うまい！」
魚は火を通すと食感が変わる。なんなら味さえも変わる。怪物は意識を持ってこの方、魚は魚、肉は肉だけで食してきた。そのために、付け合わせの野菜や調味料との融合により複雑さを増した味わいにひどく感銘を受けたのだ。端的に言えば非常に好ましい。人間は良い捕食の仕方をするものだ。怪物は隣の皿も空にした。
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烏衣(プロフ) - 三日月リンさん» 閲覧ありがとうございます！わざわざコメントして頂いたのに申し訳ないのですが、メリーさんとアンナだとクラスが異なりますのでルームメイトは遠慮させてください……その代わりに、よく二人でアクセサリーを見に行くような友人関係を結ばせては頂けないでしょうか…？ (2018年10月21日 18時) (
レス) id: e4c92fe861 (このIDを非表示/違反報告)
三日月リン - コメント失礼します！よろしければうちのメリーとアンナちゃんをルームメイトにしていただけますか？ (2018年10月7日 12時) (レス) id: ac270a254f (このIDを非表示/違反報告)
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